ロシア海軍北方艦隊の新鋭戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2ヶ月以上に渡る北極圏航海を終えて帰港した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年10月15日17時00分配信
【戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、初めての北極圏の氷の下の遠距離航海任務を遂行した】
本日(10月15日)、戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、遠距離航海任務を成功裏に遂行した後、北方艦隊潜水艦部隊の主要基地-ガジエヴォ-へ到着した。
プロジェクト955「ボレイ」のトップ艦の最初の自立航海は2ヶ月以上に渡り、北氷洋で任務を遂行した。
巡洋艦の艦長ウラジーミル・シリン1等海佐の報告によると、遠距離航海任務を乗組員は完璧に遂行し、艦の状態は良好であり、各員は健常、指定任務の更なる遂行の準備は整っている。
桟橋で潜水艦乗員は、北方艦隊司令部、赤旗北方艦隊潜水艦部隊の代表、閉鎖行政区域アレクサンドロフスクの行政当局、乗組員の親族に出迎えられた。
「ユーリー・ドルゴルーキーの乗組員により、ロシア海軍は、現在、最新の原子力ロケット艦を有しており、北極圏の氷の下を含む世界の大洋において戦略抑止任務を遂行できる事が改めて確認されました」
北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は指摘した。
彼は更に、今日において北方艦隊は北極圏航海と氷の下の航海に関する豊富な経験を有しており、それは「ボレイ」乗組員の錬成に役立てられた事を強調した。
ウラジーミル・コロリョーフは、今年、もう1隻のプロジェクト「ボレイ」巡洋艦-戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」が北極圏の氷の下の横断移動を成功裏に行ったと述べた。
その乗組員は、北方艦隊で全てのサイクル訓練を行なった。
大祖国戦争の間に北方艦隊へ確立された伝統により、巡洋艦艦長と潜水艦船員の歓迎式典では子豚の丸焼きが授与された。
遠距離航海の功績により、軍人達は表彰を受けた。
[参照]
戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2013年に艦隊へ加入した。
1月10日、同艦へ海軍旗が掲げられた。
巡洋艦は海洋配置大陸間弾道ミサイル複合体「ブラヴァー」と魚雷兵器で武装している。
また、同艦は有翼ミサイルを装備できる。
巡洋艦の総排水量は24000トン、全長は約160メートル、幅13メートル。
2014年の終わりに、原子力水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」乗組員は、北方艦隊潜水艦部隊で最高と認定された。
[新世代戦略原潜ボレイ級]
[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
ロシア第4世代戦略原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」級の1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工され、2012年12月29日にロシア海軍へ納入、2013年1月10日にロシア海軍旗の初掲揚式典が開催され、正式にへ就役しました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
同日付で北方艦隊の第31潜水艦師団へ編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
「ユーリー・ドルゴルーキー」は就役後もセヴェロドヴィンスクに居たのですが、9月3日夜にセヴェロドヴィンスクを出港し、ガジエヴォへ向かいました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは9月6日に駐留基地ガジエヴォへ到着する]
9月6日、ガジエヴォ基地へ到着しました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはガジエヴォ基地へ到着した]
そして12月5日、定期修理の為、セヴェロドヴィンスクへ戻ってきました。
[戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはセヴェロドヴィンスクで定期修理を行なう]
12月24日に修理を完了しました。
[戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはセヴェロドヴィンスクでの修理を終えた]
12月30日、ガジエヴォに到着しました。
[2隻のボレイ級戦略原潜はガジエヴォ基地に到着した]
その後の動向は公表されていませんが、2014年7月27日の「ロシア海軍の日」にはセヴェロモルスクで観艦式に参加しています。
8月20日には2週間ぶりにガジエヴォ基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2週間ぶりに基地へ戻った]
10月下旬、セヴェロドヴィンスクへ入港し、「ブラヴァー」ミサイルを満載(16発)しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイル「ブラヴァー」を満載する]
ミサイルを満載した後、10月24日にセヴェロドヴィンスクを出港し、10月26日にはセヴェロモルスクへ入港しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年10月27日12時55分配信
【「ユーリー・ドルゴルーキー」はセヴェロモルスクに停泊した】
10月29日、バレンツ海からカムチャツカへ向けて弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはバレンツ海からの弾道ミサイル発射に成功した]
以後、「ユーリー・ドルゴルーキー」の動向は全く公表される事は有りませんでした。
そして2015年10月15日、「ユーリー・ドルゴルーキー」は2ヶ月以上に渡る北極圏航海~具体的には戦略核パトロールを終え、ガジエヴォ基地へ戻りました。
つまり、2015年8月初頭辺りに北極圏航海へ出発したという事になります。
ロシア海軍の潜水艦(戦略原潜を含む)の基地への帰港は公表される事も有りますが、潜水艦の出航に関しては、全く公表されていません。
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