ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年10月27日11時58分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は北海へ入った】
本日(10月27日)、北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はノルウェー海域から北海へ移動し、ヨーロッパ大陸海岸沿いの中立水域をラマンシュ海峡へ進んでいる。
大型対潜艦の艦上では、ラマンシュ海峡エリアの船舶航行の多いゾーンに対処する為、当直士官及び航海士、電波機器戦闘班の訓練が行なわれた。
更に艦の戦闘班は、様々な高度からの仮想敵の空中攻撃を撃退する為の演習を実施した。
船員は、海上での艦のダメージコントロールの一連の訓練を実施した。
艦の緊急事態対処隊の要員は、浸水及び火災に対処する為の緊急救助手段の実地使用へ取り組んだ。
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の遠距離航海は10月23日に始まった。
4日間の航海で同艦は嵐の海域を含め、1000海里以上を航行した。
大型対潜艦の航海は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊の対潜艦連合部隊司令官アレクサンドル・マシネツキー1等海佐の指揮下で実施される。
プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は1977年11月4日に起工、1980年5月16日に進水し、1981年12月26日に受領-引渡証書へ署名され、1982年1月10日に海軍旗初掲揚式典が開催されました。
[ウダロイ級2番艦2番艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ]
ソ連邦解体後、約10年間放置され、2000年代初頭から修理と近代化改装が始まりました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]
2010年1月下旬から航海試験を開始し、同年12月7日に北方艦隊へ復帰しました。
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」、航海試験開始]
2011年8月、攻撃ヘリコプターKa-52の着艦試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]
2012年2月初頭からは乗員が契約軍人(志願兵)のみとなりました。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]
2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就きました。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]
2013年5月から9月まで地中海、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
(2013年5月11日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは長期航海を終えて基地へ戻った]
2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]
2015年3月から7月末までムルマンスクの第35艦船修理工場でガスタービン機関を含むにオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]
その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]
それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
今後の予定は公表されていませんが、英仏海峡を抜けた後、おそらくはジブラルタル海峡へ向かい、地中海へ入る事になるでしょう。
今回、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」に乗る航海指揮官は、対潜艦連合部隊司令官アレクサンドル・マシネツキー1等海佐との事ですが、この「対潜艦連合部隊」は、具体的には北方艦隊の第2対潜艦師団を指しています。
第2対潜艦師団は、北方艦隊に配備されているプロジェクト1155/11551大型対潜艦5隻で構成されています。
(大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」、「アドミラル・レフチェンコ」、「アドミラル・ハルラモフ」、「アドミラル・チャバネンコ)
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