ロシア海軍はプロジェクト06363(改キロ級)潜水艦を黒海艦隊向け以外にも追加調達するかもしれない

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月5日11時41分配信
【ロシア連邦海軍は、潜水艦プロジェクト「ワルシャワンカ」を継続するかもしれない】
モスクワ、11月5日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア海軍司令部は、プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦を黒海艦隊だけでは無く、他の艦隊の為に建造する可能性について検討している。
総司令官ヴィクトール・チルコフは表明した。
彼は、6隻の「ワルシャワンカ」を黒海艦隊へ引き渡した後、更なる潜水艦の建造についての質問に答えた。
「海軍総司令部は、このプロジェクトの潜水艦を他の艦隊の為に建造する可能性について検討しております。
プロジェクト636.3潜水艦は素晴らしい戦闘効率性と性能を有しているが為、これは論理的であります」
提督は話した。
プロジェクト636.3「ワルシャワンカ」潜水艦は第3世代に属しており、排水量3950トン、速力20ノット、潜航深度300メートル、乗組員52名である。
潜水艦はプロジェクト636の改正型であり、(以前のプロジェクトと比較して)より高い戦闘効率性を有する。
兵装として533mm口径の魚雷(6門の発射管)、機雷、打撃ミサイル複合体「カリブル」が有る。
それは、敵に探知されるよりも3-4倍の距離で目標を発見する事が出来る。
その隠密性により、同プロジェクト潜水艦はNATOから「ブラックホール」の呼び名を貰った。
[プロジェクト06363潜水艦]
ロシア海軍向けのプロジェクト06363非核動力潜水艦は、これまでに6隻が起工され、この内の4隻が就役しています。
全てサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で建造されています。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代非核動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。
プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備
・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備予定
・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備予定
・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊に配備予定
・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3-4月進水予定/2016年11月25日就役予定
黒海艦隊に配備予定
・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年3-4月進水予定/2016年11月25日就役予定
黒海艦隊に配備予定
1番艦「ノヴォロシースク」は既に黒海沿岸へ到着しており、現在はセヴァストーポリ工場でメンテナンス中です。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクはセヴァストーポリ工場でメンテナンスを行なう]
2番艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は北方艦隊での試験を終え、現在は黒海沿岸へ回航中です。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットから黒海へ向かった]
3番艦「スタールイ・オスコル」は北方艦隊で各種試験を実施する為、ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
4番艦「クラスノダール」は2015年11月5日にロシア海軍へ就役しました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]
5番艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と6番艦「コルピノ」は、建造元の「アドミラルティ造船所」総取締役アレクサンドル・ブザコフ氏によると、2016年3~4月に進水し、2016年11月25日までにロシア海軍へ引き渡されます。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月5日11時28分配信
【潜水艦「コルピノ」と「ヴェリキー・ノヴゴロド」の進水は(2016年)春に予定されている】
プロジェクト06363潜水艦の建造は、黒海艦隊向けの6隻で終了する予定でした。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363(改キロ級)潜水艦の建造は6隻で終了する]
しかし今回、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、黒海艦隊以外の艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊)向けにプロジェクト06363潜水艦を追加建造する可能性に初めて言及しました。
現在、ロシア海軍には合計17隻のプロジェクト877潜水艦が就役しており、一部の艦は寿命を延長(5~10年)するなどの近代化改装を行なっています。
しかし、17隻全てが近代化改装される可能性は低く、そのような具体的な計画も有りません。
プロジェクト06363潜水艦は1隻あたりの価格が100億ルーブルと比較的安価ですし、建造期間も短く、比較的短期間で戦力化できます。
例えば、プロジェクト06363潜水艦を大平洋艦隊向けに調達する事になった場合には、ロシア極東のアムール造船所で建造されるでしょう。
[コムソモリスクナアムーレ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の通常動力潜水艦を建造する]
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