新型揚陸艦イワン・グレンは大洋海域で使用できる

2012年5月18日、ロシア海軍プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」が進水しました。
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[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]

その「イワン・グレン」に関するロシア連邦海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ中将の談話。


『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【海軍の新たな艦は大洋ゾーンで使用できると総司令官は述べた】
モスクワ、5月18日-ロシア通信社ノーボスチ

進水したロシア海軍大型揚陸艦「イワン・グレン」は、大洋ゾーンで使用できる。
金曜日、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ中将は述べた。

金曜日、沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、ロシア海軍の発注により建造を開始した大型揚陸艦「イワン・グレン」を進水させた。
同艦は、軍用車両及び機器を輸送し、上陸させる為に設計されている。

「資金調達が認められ、この艦の建造は完了できます。
この艦には、新たな技術的解決策が導入されており、単なる揚陸艦として見る事は出来ません。
この艦は、幅広い機能を有しております。
同艦は、海洋ゾーンで効率的に行動できます」

チルコフは、バルト艦隊設立309周年記念に関して述べた。
ロシア通信社ノーボスチは、ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部代表の発表を引用した。

海軍の水上部隊の存在は強化されると総司令官は述べた。

以前、ウラジーミル・プーチン大統領は、その論文記事において、ロシアは、まず第一に、北方海域及び極東海域、更には、北極海で国益を確保する「大洋」海軍力を発展させる必要が有ると説明した。

新たな同プロジェクト艦が、類似する艦と違う点の一つは、大洋ゾーンで行動出来る事にある。
同プロジェクトの設計主任である株式会社「ネヴァ川計画設計局」ウラジーミル・マスリンは、大型揚陸艦「イワン・グレン」は、特に、設備の無い海岸に接岸できる点において、フランスヘリコプター空母「ミストラル」よりも利点が有ると述べた。

プロジェクト11711のトップである大型揚陸艦「イワン・グレン」は、株式会社「ネヴァ川計画設計局」により開発された。
プロジェクト11711は、1171-1960~70年代に沿バルト造船工場「ヤンターリ」で14隻が建造された「タピール」型-の最新開発プロジェクトである。

同艦の建造は2004年12月に開始されたが、不安定な資金供給と工場の人員不足の為に遅延した。
建造工事の活動段階は、発注元のスケジュール調整に関連して、2008年から始まった。

現在、同艦の船体及び上部構造物は形成され、一部の機器は積載され、推進軸及びスクリュー、システム及び各種機器の設置作業は続けられる。
同艦の顧客への納入は、2013年に予定されている。
(2012年5月18日19時06分配信)


テレビ局『ズヴェズダー』動画ニュースより
2012年5月18日22時10分配信
【カリーニングラードで大型揚陸艦イワン・グレンが進水した】


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大型揚陸艦「イワン・グレン」に関する最近の報道。

[新型揚陸艦「イワン・グレン」近況]
[新型揚陸艦イワン・グレンは5月末に進水する]
[新型揚陸艦イワン・グレンの建造に50億ルーブルが費やされた]
これらの記事を読む限り、プロジェクト11711大型揚陸艦の前途は明るいものとは言えません。


大型揚陸艦「イワン・グレン」は、2004年12月24日に「ヤンターリ」造船工場で起工されました。
当初は、「イワン・グレン」+シリーズ艦(同型艦)4隻の計5隻が建造される計画だったのですが、未だに「シリーズ艦」は1隻も起工されていません。
2010年10月に最初のシリーズ艦(つまり2番艦)が起工されると報じられましたが、キャンセルされました。
加えて「イワン・グレン」は、建造中に何度も設計変更され、この事が工事の更なる遅延を招きました。
(ロシア通信社ノーボスチの報道では触れられていませんが)

「イワン・グレン」を建造している「ヤンターリ」造船所の現在の最優先事項は、ロシア海軍向けのプロジェクト11356Mフリゲート6隻の建造と、インド海軍向けの「タルワー」級フリゲート第2バッチ3隻の建造です。
[プロジェクト11356M(改タルワー級)フリゲート]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィッチ」は2014年に就役する]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

加えて「ヤンターリ」造船所は、「イワン・グレン」進水当日、更に3隻のインド海軍向け「タルワー」級フリゲートを新たに起工すると発表しました。
[ヤンターリ造船所は2012年にインド海軍用の新たなタルワー級フリゲート3隻を起工する]


これで「ヤンターリ」造船所は、合計12隻のプロジェクト11356/11356Mフリゲートを建造する事になり、プロジェクト11711大型揚陸艦の「シリーズ艦」を建造する余裕は、当分無いでしょう。

進水当日、造船台から出た「イワン・グレン」は、そのまま浮きドックに載せられました。
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「イワン・グレン」が載せらているのは、プロジェクト10090中型浮きドック「PD-8」です。

[プロジェクト10090中型浮きドック]
基準排水量:4600t
満載排水量:9100t
全長:118.4m
幅:29.22m
吃水:3.5m
積載重量:4500t


[プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」]
満載排水量:5000~6000トン
全長:120m
幅:16.5m
吃水:3.6m
主機:10D49ディーゼルエンジン1基、4000馬力
速力:18ノット
航続距離:16ノットで3500海里
自立行動期間:30日
乗員:100名
積載能力:重量60トンまでの戦車13輌あるいは装甲車両60輌
兵員300名あるいは20フィート標準コンテナ20個
兵装:携帯高射ミサイル複合体「イグラ-V」
AK-630M2「ドゥエト」2連30mmガトリング砲2基
AK-630M 30㎜ガトリング砲2基
搭載機:Ka-29ヘリコプター1機
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