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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月9日12時15分配信
【地中海で遠距離航海任務を遂行している大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は水と燃料の在庫を補充した】

地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は、停泊地において黒海艦隊給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料真水の在庫の計画補充を行なった。

大型対潜艦の投錨停泊はチュニス海峡エリアの公海上で実施された。
物資補充は液体貨物移送の安全対策を遵守して実行された。

乗組員は更に艦のダメージコントロール演習を実施した。
緊急事態班の要員は、固定並びに携帯消火設備の使用へ取り組んだ。

現在、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、地中海の東方へ向かって移動を続けている。
遠距離航海開始以来、同艦は4000海里以上を航行し、その距離の一部では海上の嵐を乗り越えた。

大型対潜艦の遠距離航海は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊対潜艦連合部隊司令官アレクサンドル・マシネツキー1等海佐の指揮下で実施される。


プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

地中海から戻った後、2015年3月から7月末までムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]

その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]

それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]

11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]

11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]

そして11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)真水の洋上補給を受けました。
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大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」は、今年6月1日にセヴァストーポリを出航し、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加し、6月下旬から8月初頭まで大西洋で行動し、その後、地中海へ戻り、現在まで同海域に滞在しています。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」ガスタービン機関ですが、ロシア海軍ガスタービン推進艦も、西側諸国海軍と同様に燃料として軽油(ディーゼル燃料)を使用している事が伺えます。
(重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」プロジェクト956駆逐艦といった蒸気タービン推進艦重油を使用)

今後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海東部へ向かい、ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ加わる事になるでしょう。

現在、地中海東部には、黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「スメトリーヴイ」、海洋曳船MB-31、工作船PM-56が滞在しており、この他に数隻の大型揚陸艦が交代でシリアへの「貨物」輸送~シリア・エクスプレス~を行なっています。

最近では、大型揚陸艦に加え、ロシア海軍が購入した中古の民間貨物船も輸送任務に就いています。
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