シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)


『タス通信』より
2015年11月18日14時53分配信
【情報筋:ロシア連邦の戦闘艦がシリア沖でフランス海軍の対空防衛を保障する事は無い】
モスクワ、11月18日/タス通信
シリア沖のロシア戦闘艦はフランス海軍航空母艦グループの対空及び対潜防衛を保障する事は無い。
何故なら、彼等は、これらの任務を自身で遂行する事が可能であるが故に。
11月18日、タス通信は軍事外交筋より伝えられた。
以前、一部のメディアは、シリアのテロ組織「イスラム国」戦闘員に対する作戦中に、ロシア連邦海軍の艦がフランス海軍航空母艦グループへ戦闘援護を提供すると報じた。
「シリア沖に居るロシア海軍戦闘艦グループは、最高司令官ウラジーミル・プーチンの指示に基づき、フランス海軍航空母艦グループと海上及び空中で対水中破壊工作と対テロ活動を含む緊密な協同行動を行ないます。
ですがそれは、私共の艦が、航空母艦シャルル・ド・ゴールに率いられるフランス海軍支隊の対空防衛及び対潜防衛を保障するという話ではありません」
対談者は話した。
彼によると、この任務をフランス艦支隊は自身で遂行する事が可能である。
「この為に、彼等は充分な戦力と手段を有しております」
情報提供者は説明した。
彼によると、現在、シリア沖では、3艦隊~黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊の10隻程度の戦闘艦と数隻の支援船で構成されるロシア連邦海軍グループが活動している。
このグループの旗艦は親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」である。
「最近、グループには、北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと黒海艦隊の小型ロケット艦ミラーシュが補充されました」
対談者は総括した。
ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]
10月初頭にはシリアのラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]
10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]
その後も地中海東部へ留まっていました。
北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」も地中海東部へ到着しています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]
今回の記事によると、黒海艦隊の小型ロケット艦「ミラーシュ」も地中海東部へ到着しているようです。
周知のように、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)は10月31日にロシアの旅客機を爆破し、11月13日にはパリで同時多発テロ事件を起こしました。
その後、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]
そして、「一部のメディア」は、ロシア海軍の水上艦がフランス海軍空母機動部隊の対空・対潜防衛を担当すると報じました。
『スプートニク』より
2015年11月18日21時11分配信
【ロシア海軍艦艇 フランス海軍の空母艦隊を軍事援護へ】
しかし、今回の記事に登場する「軍事外交情報筋」は、この情報を否定しました。
ロシア海軍の水上艦がフランス海軍空母部隊と協力するというのは、例えば親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」や大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」が原子力空母「シャルル・ド・ゴール」の護衛艦として随伴するという話では無いという事です。
フランス海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」は11月18日にトゥーロンを出航し、先ずは地中海東部へ行き、その後、インド洋(ペルシャ湾)へ行きます。
フランス国防省公式サイトより
2015年11月18日17時15分配信
【アロマンシュミッション2:海軍航空グループは東地中海とインド洋に展開する】
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