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ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される

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『タス通信』より
2015年11月21日14時21分配信
【ロシア連邦海軍:「モスクワ」型及び「ピョートル・ヴェリキー」型巡洋艦は新たな兵器や通信システムを受け取る】
モスクワ、11月21日/タス通信

プロジェクト1164ロケット巡洋艦プロジェクト1164(「モスクワ」)重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(プロジェクト1144)は、少なくとも10年間は海軍で勤務し、新たな兵器複合体及び通信複合体により近代化される。
ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で、軍事科学業務担当海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ1等海佐は伝えた。

プロジェクト1164巡洋艦のトップ「モスクワ」は1983年に、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は1998年に、それぞれ運用を開始した。

「周知のように巡洋艦モスクワは16基の有翼ミサイルを有し、黒海艦隊の一員であり、そして原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーが在ります。
維持及び定期修理プログラムが存在します。
何隻かは、新たな兵器複合体、新たな通信システム、自動化及び管理システムにより近代化されます」

彼は話した。

海軍のこの種類の艦は「今後5~10年、おそらくは15年に渡り」現役に留まるとスロフは指摘した。
しかし、このタイプの艦を代替する為の研究と、同様の排水量を有する艦の開発が進められている事を士官は想い起した。

将来駆逐艦について話せば、その兵装と能力は「既存の巡洋艦よりも遥かに強力です」

「現在の状況に鑑みて、排水量10000-14000トンで、核動力装置を含め、全てを収める事が出来るのであれば、我々は排水量20000トンか、それ以上の巡洋艦を建造する必要は有りません」
彼は強調した。


プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦は、1980年から1998年までに4隻が就役し、現在は3隻が現役に在りますが、稼働状態に在るのは4番艦「ピョートル・ヴェリキー」のみです。

[プロジェクト1144「オルラーン」重原子力ロケット巡洋艦](レニングラード/サンクトペテルブルク市のバルト工場で建造)
「キーロフ」(1992年5月27日から「アドミラル・ウシャコーフ」)工場番号800
1974年3月26日起工/1977年12月27日進水/1980年12月30日納入/1981年4月12日就役
北方艦隊へ配備、2004年3月30日除籍

「フルンゼ」(1992年5月27日から「アドミラル・ラーザレフ」)工場番号801
1978年7月26日起工/1981年5月26日進水/1984年10月31日納入/12月7日就役
太平洋艦隊へ配備、1999年7月以降予備役

「カリーニン」(1992年5月27日から「アドミラル・ナヒーモフ」)工場番号802
1983年5月17日起工/1986年4月25日進水/1988年12月30日納入/1989年4月21日就役
北方艦隊へ配備、1999年8月以降予備役、2013年から大規模な近代化改装

「ユーリー・アンドロポフ」(1992年5月27日から「ピョートル・ヴェリキー」)工場番号803
1986年10月25日起工/1989年4月29日進水/1998年4月19日納入・就役
北方艦隊へ配備



プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦は1983年から1990年に掛けて3隻が就役し、現在も全艦が現役に在りますが、稼動状態に在るのは2隻です。

[プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦](ニコラエフ市の第61コムーナ造船工場で建造)
「スラヴァ」(1995年5月15日から「モスクワ」)工場番号2008
1976年5月11日起工/1979年7月27日進水/1982年12月30日納入/1983年4月7日就役
黒海艦隊へ配備

「アドミラル・フロータ・ロボフ」(1985年3月23日から「マルシャル・ウスチーノフ」)工場番号2009
1978年5月10日起工/1982年2月25日進水/1986年9月15日納入/11月5日就役
北方艦隊へ配備、2012年より近代化改装

「チェルヴォナ・ウクライナ」(1995年12月21日から「ワリャーグ」)工場番号2010
1979年7月31日起工/1983年8月28日進水/1989年12月25日納入/1990年1月7日就役
太平洋艦隊へ配備



現在、プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦の3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」は大規模な近代化改装工事を行なっております。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2019年末-2020年初頭にロシア海軍へ復帰する]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装が終わった後、同型艦「ピョートル・ヴェリキー」の近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は計画通り行なわれる]

プロジェクト1164ロケット巡洋艦の方は、2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

今後は他の同型艦~1番艦「モスクワ」を含む~も近代化改装が行なわれる予定です。

近代化改装された巡洋艦は、今後10~15年程度は現役に留まるとの事です。


ロシア海軍の現用のロケット巡洋艦の後継は、将来駆逐艦「リデル」級になるようです。
[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]

ロシア海軍総司令官補佐官アンドレイ・スロフ氏は、プロジェクト1144のような排水量2万トンを超える大型艦の新規建造には否定的です。

要するに、将来駆逐艦「リデル」級が有れば、1144のような大型艦を新たに建造する必要は無いという事です。
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