ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはオーバーホールを終えて復帰した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2015年11月28日16時56分配信
【原子力潜水艦「ゲパルト」は北方艦隊潜水艦部隊の戦闘艦の一員として復帰した】
多目的原子力潜水艦「ゲパルト」は艦船修理工場「ネルパ」における技術的準備状態の回復を完了し、北方艦隊潜水艦部隊の戦闘艦の一員として復帰した。
原子力艦は複合作業を実行し、艦の技術的寿命は大幅に延長され、北極圏の環境下で更なる運用の継続が可能となった。
近い内に原子力潜水艦「ゲパルト」の乗組員は、海洋における潜水艦の錬成戦闘訓練の実行へ着手する。
[参照]
プロジェクト971原子力潜水艦「ゲパルト」は第3世代原子力潜水艦に属する。
同艦はセヴェロドヴィンスクの造船工場「セヴマシュ」で建造され、2001年12月4日には親衛海軍旗が揚げられた。
潜水艦は再三に渡り、様々な種類の戦闘訓練、幾つかの戦闘勤務及び遠距離航海任務の遂行により、北方艦隊で最高の潜水艦と認定された。
多目的潜水艦は現代的なミサイル及び機雷-魚雷兵装、高い隠密性を有する事により、敵潜水艦の追尾、大型水上艦及び沿岸目標の撃破といった広範囲に渡る戦闘任務の実行が可能となっている。
プロジェクト971原子力巡洋潜水艦K-335は、1991年9月23日にセヴェロドヴィンスク市の造船工場「セヴマシュ」で起工されました。
1993年2月22日付で「ゲパルト」と命名され、1997年12月4日にはプロジェクト675MKV原子力潜水艦K-22より親衛称号を受け継ぎ、親衛艦となりました。
ソ連邦解体後の財政難で建造資金の供給が滞った為に工事は遅れ、当初は1995年に就役する予定でしたが1998年に延期され、更に就役は延びる事になりました。
起工から8年後の1999年9月17日に造船台から出され、同年12月7日に進水しました。


1999年12月15日から2000年9月22日まで工場の岸壁で係留試験が行なわれ、同年12月10日から25日まで工場航行試験第1段階が実施されました。
2001年6月2日から16日まで工場航行試験第2段階が実施され、7月10日から26日まで工場航行試験第3段階と国家受領試験が実施されました。
洋上試験中に同艦は6150海里を航行し、この内の2376海里は潜水状態でした。
2001年12月3日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
2001年12月4日、ウラジーミル・プーチン大統領が出席して海軍旗掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
2002年2月に北方艦隊の第24潜水艦師団へ編入されました。
2004年と2007年には北方艦隊最高の潜水艦と認定され、海軍総司令官から表彰されました。
2012年1月14日、第10艦船修理工場に居た「ゲパルト」で小火騒ぎが起こりました。
[ロシア原潜「ゲパルト」で火災は無かった]

2012年2月11日夜、「ゲパルト」水雷長マクシム・ガルキン中尉が艦内で自殺しました。
『窓に!窓に!』より
【ロシア海軍北方艦隊の原潜K-355で自殺が発生】

2013年から艦船修理工場「ネルパ」でオーバーホールが行なわれ、2015年11月27日に完了し、北方艦隊へ復帰しました。
今回のオーバーホールにより「ゲパルト」の寿命は10年程度延長されました。
ロシア海軍に就役中のプロジェクト971原子力潜水艦の内6隻(北方艦隊の3隻と太平洋艦隊の3隻)はセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で高度な近代化改装が実施されますが、ロシア海軍の971の中でも艦齢が若い「ゲパルト」は、この6隻には入っておらず、寿命延長(核燃料の交換を含む)が主体となっているようです。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]
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