ロシア海軍の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)ブラヴァーは改良される
- カテゴリ:ロシア海軍の艦載兵器

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年11月26日16時57分配信
【コーポレーション「モスクワ熱技術研究所」はミサイル「ブラヴァー」の近代化へ取り組んでいる】
モスクワ、11月26日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシアの戦略ミサイル複合体の開発者であるコーポレーション「モスクワ熱技術研究所」は、海洋配置大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の近代化へ取り組んでいる。
木曜日、コーポレーション「モスクワ熱技術研究所」設計主任ユーリー・ソロモノフは表明した。
「兵器のライフサイクルは、通常で20年から30年です。
既に現在納入されているブラヴァーに関し、私共は近代化へ取り組んでおります。
この過程は連続的なものであり、根本的に新しいプロジェクト及び設計の出現は、兵器使用の効率性を高める事を意味します」
ソロモノフは話した。
彼によると、ミサイルは、より効率的に、そして低価格となる。
現在までに潜水艦用弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」の発射は23回実施され、この内の7回が失敗に終わっています。
1回目:2004年9月23日-成功
2回目:2005年9月27日-成功
3回目:2005年12月21日-成功
4回目:2006年9月7日-失敗
5回目:2006年10月25日-失敗
6回目:2006年12月24日-失敗
7回目:2007年6月28日-成功
8回目:2008年9月18日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功
18回目:2011年12月23日-成功
19回目:2013年9月6日-失敗
20回目:2014年9月10日-成功
21回目:2014年10月29日-成功
22回目:2014年11月28日-成功
23回目:2015年11月14日-成功
2009年12月までの発射試験は失敗と成功を繰り返し、「ブラヴァー」の戦力化も危ぶまれる状況でしたが、2010年以降は、失敗したのは1度のみでした。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年) ]
[潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」は一斉発射試験に成功した]
14回目までの発射試験は重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」から実施されましたが、15回目以降は「ボレイ」級戦略原潜3隻(ユーリー・ドルゴルーキー、アレクサンドル・ネフスキー、ウラジーミル・モノマーフ)から実施されています。
記事中に登場するユーリー・セメノヴィチ・ソロモノフ氏(1945年11月3日生まれ、現在70歳)は、以前は「モスクワ熱技術研究所」総取締役と設計主任を務めていましたが、2009年7月中旬に総取締役を辞任し、設計主任として「ブラヴァー」の開発に専念する事になりました。

[「ブラヴァー」設計主任は辞職しない]
これまでのソ連/ロシアの潜水艦用弾道ミサイルが改良を繰り返して来たのと同様に、当然ながら「ブラヴァー」も、今後改良型が作られる事になります。
今回のユーリー・ソロモノフ氏の発言によると、「ブラヴァー」改良の主眼となるのは、射程距離などのスペックの向上では無く、コストダウンや効率性のアップ(おそらくは命中精度の向上)になるようです。
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