ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはシリア沖に居る
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)

『インタファクス』より
2015年12月8日11時16分配信
【ロシアの潜水艦はシリア沖に到着した】
モスクワ、12月8日、インタファクス-ロシア
艦隊間移動を行なっている黒海艦隊のプロジェクト636.3潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は地中海東部へ入り、現在はシリア沿岸付近に居る。
火曜日、『インタファクス』は状況に通じている情報提供者より伝えられた。
「潜水艦は有翼ミサイル"カリブル-PL"を弾薬として有しており、これはカスピ小艦隊の艦がテロリストグループ"イスラム国"(ロシアでは非合法)の目標に対して使用したものと同じです」
対談者は話した。
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」の所在場所に関する公式情報は未だ無い。
ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は北方艦隊での兵装システム試験後、黒海艦隊への移動を開始し、バルト海のクロンシュタットへの寄港を行なった。
同プロジェクトの最初の潜水艦「ノヴォロシースク」は9月16日に黒海艦隊へ到着した。
7月には、第3のプロジェクト636.3潜水艦「スタールイ・オスコル」へ(海軍)旗が揚げられた。
2015年末までに海軍へ第4の潜水艦「クラスノダール」が引き渡された。
「アドミラルティ造船所」(統合造船業営団の一員として含まれている)では、更に2隻のプロジェクト636.3潜水艦「コルピノ」と「ヴェリキー・ノヴゴロド」が建造の積極的段階に在る。
プロジェクト636.3潜水艦は第3世代に属しており、プロジェクト636及び877の発展型である。
それは、世界で最も静粛なものの1つと見られている。
水中速力は20ノット、限界潜航深度は300メートル、自立行動期間45日、乗組員52名、水中排水量は約4000トン。
プロジェクト636.3の特徴は、打撃ミサイル兵器複合体「カリブル-PL」、更には更新された電波電子兵装を装備している事に有る。
[プロジェクト06363潜水艦]
ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2011年11月21日にサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で起工されました。
[改キロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」起工]
それから約3年後の2014年6月26日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは進水した]
8月下旬、係留試験が開始されました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した]
その後、10月21日から工場航行試験が始まりました。
『ruspodplav』より
2014年11月2日23時44分配信
【「ロストフ・ナ・ドヌー」はサンクトペテルブルクへ戻ってきた】
ロシア海軍広報部は、「ロストフ・ナ・ドヌー」が2014年末までにロシア海軍へ引き渡されると発表しました。
[最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは2014年末までにロシア海軍へ引き渡される]
12月23日には国家受領試験が終わりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月23日13時26分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は国家試験から戻った】
その後、12月27日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団へ編入されました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]
就役した「ロストフ・ナ・ドヌー」は、まずバレンツ海へ移動して深海試験を行ない、その後に配備先の黒海艦隊基地-ノヴォロシースク海軍基地へ回航されます。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]
2015年4月17日、「ロストフ・ナ・ドヌー」はクロンシュタットを抜錨しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットを去り、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ向かった]
5月22日、深海試験を行なう為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
その後、バレンツ海で各種試験が行われました。
10月2日には有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]
10月9日、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"(対艦型)を発射した]
10月16日、ポリャールヌイ基地へ到着した同型艦「スタールイ・オスコル」と入れ違いに出航しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
10月29日、クロンシュタットへ入港しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは『補給』の為にクロンシュタットへ寄港した]
11月5日にクロンシュタットを出航し、黒海へ向かいました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットから黒海へ向かった]
その後、「ロストフ・ナ・ドヌー」の動向が公表される事は一切ありませんでした。
11月17日、ロシアの一部のメディアは、回航途中の「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部から「カリブル」によりシリアのラッカに在るISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃したと報じました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
この件に関するロシア国防省やロシア海軍からの公式発表は全く有りませんでした。
しかし、ロシアの軍事専門家は、この報道には懐疑的です。
ブログ『窓に!窓に!』より
2015年11月22日配信
【改キロ級からの巡航ミサイル攻撃の疑問】
要するに、11月17日の時点で「ロストフ・ナ・ドヌー」がシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を有翼ミサイルで攻撃できる位置(地中海東部)に居る筈が無いという事です。
(11月17日にはジブラルタル海峡付近に到達するのが精一杯)

そして今回の(『インタファクス』)の記事によると、現在、「ロストフ・ナ・ドヌー」はシリア沖に居るとの事です。
有翼ミサイル「カリブル」は、2015年10月7日にカスピ小艦隊の小型ロケット艦からシリアの「イスラム国」拠点へ発射されています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
カスピ小艦隊は11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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