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ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバレンツ海方面で巡航ミサイル"カリブル"の発射試験を行なう

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年12月10日8時2分配信
【「アドミラル・グリゴロヴィチ」の試験は北方艦隊で実施される】

沿バルト造船工場「ヤンターリ」で建造されたプロジェクト11356のトップ艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は国家試験の第1段階を完了し、第2段階の開始準備を行なっている。

同艦の国家受領試験の第2段階は北方艦隊の射爆場で実施され、警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は12月中旬には移動しなければならない。

この決定は、第1段階が実施されたバルト海エリアでは、警備艦の全ての種類の兵装の試験が出来ない事に関連し、ロシア連邦国防省により下された。
具体的には、北方においてミサイル複合体「カリブル-NK」の試験を実施するつもりであると「ヤンターリ」広報サービスは伝えた。

国家受領試験が完了すると警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」沿バルト造船工場「ヤンターリ」へ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備が開始される。

当初、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の引き渡し時期は2015年8月に予定されていたが、不具合を起こしたメインエンジンの冷却器の交換に関連して延期された。

ロシア連邦国防省と署名した2つの契約下で沿バルト造船工場「ヤンターリ」公開株式会社「北方計画設計局」が開発したプロジェクト11356警備艦シリーズ6隻を建造する。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]

その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】

12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】

そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

消磁作業は3月下旬に完了し、4月8日に「ヤンターリ」造船所の在るカリーニングラードからバルチースク海軍基地へ移動しました。

4月下旬に1回目の洋上試験が実施され、4月29日に完了しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年5月初頭から2回目の洋上試験を開始する]

そして5月5日に2回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を開始した]

2回目の試験は5月7日には終わり、バルチースク基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を終えた]

5月16日から3回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は5月16日から洋上試験を再開する]

この3回目の洋上試験中、初めて「アドミラル・グリゴロヴィチ」の砲兵装~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、AK-630M 30mmガトリング砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった]

5月28日、4回目の洋上試験へ出発しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは洋上試験を続ける]

7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

8月27日、高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が初めて実行されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で対空ミサイルを発射した]

10月初頭に工場航行試験は完了しました。

10月14日から国家受領試験が開始され、10月16日にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチの国家受領試験が始まる]
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは国家受領試験の為にバルト海へ出航した]

10月27日、バルト海A-190「ウニヴェルサール」100mm砲、AK-630 30mm機関砲、RBU-6000対水中ロケット爆雷の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で砲撃を行なった]

10月29日、バルト海高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を発射しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で艦対空ミサイルを発射した]


しかし、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の主要打撃兵装である有翼ミサイル「カリブル」(の対地攻撃型)の発射試験はバルト海では実施できない為、ロシア北方艦隊の担当海域(バレンツ海方面)へ回航して発射試験を行なう事になりました。
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さる12月8日にシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型を発射した黒海艦隊潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、10月2日に「カリブル」対地攻撃型の発射試験をバレンツ海で実施しています。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]

同じ黒海艦隊潜水艦「ノヴォロシースク」も、8月4日にバレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]

今年末の引き渡しが予定されているプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」も11月25日に白海から有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


北方艦隊ロシア海軍の新型艦の各種試験を担当しており、「アドミラル・グリゴロヴィチ」も先例に倣う事になるようです。
[ロシア海軍北方艦隊は新造艦の試験に従事する]
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