シリアのラタキア沖のロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワを外国の報道陣が訪れた
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年12月18日9時54分配信
【外国のジャーナリストは「フマイミーン」基地の巡洋艦「モスクワ」を見学した】
ラタキア(シリア)、12月18日-ロシア通信社ノーボスチ
外国メディアの代表へ、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」が「フマイミーン」航空基地とシリアのこの地域で活動するロシア軍用機を直接カバーしている事が示された。
「フマイミーン」基地での業務について知る為、シリアへ、(ロシア)国防省の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフと共に、スカイニュース、CNN、AFP通信、新華社通信と他の世界の主要メディアの特派員が到着した。
公海へ向かった彼等はロシアの巡洋艦へ乗り、その業務について知る事ができた。
ジャーナリスト達は艦の食堂で食事をとり、艦隊の伝統である熱いマカロニグラタンが提供された。
「僕は、これ程までに全ての出来事が公表されている事に驚き、感動しました」
『スカイニュース』特派員ジョン・スパークスはロシア人ジャーナリストへ話した。
ロシア軍当局と他のジャーナリストの開放性は高く評価された。
「僕達は、大いなる幸運により、ここへ来ました。
我々は、以前から、それについて要望しておりました。
ロシア軍での仕事は、西側よりもずっと簡単です。
ロシア軍は、全てについて心から御話する事が出来ますから」
ブルガリアのホールディングス『メディアモスト』のボリス・アンゾフは話した。
「兵装、例えばS-300は、僕が思いますに、この地域の安全を充分に提供しております」
新華社通信特派員チャン・ジーイーは述べた。
ロケット巡洋艦「モスクワ」は1983年に建造され、大型水上目標の破壊の為に意図されていると同艦の艦長アレクサンドル・シワルツは外国メディアの代表へ話した。
巡洋艦の乗組員は500名で構成され、艦は30ノットの速力を発揮できる。
「モスクワ」は既に数年間に渡り地中海に駐在し、この海域の船舶航行の安全を保障している。
約1ヶ月間に渡り、巡洋艦は「フマイミーン」航空基地と、この地域で活動するロシア航空隊へのカバーを提供している。
この任務を地中海で遂行しているロシア艦船グループには、更に様々な用途の11隻の船が含まれている。
新たな年を迎えて間もなく、「モスクワ」は巡洋艦「ワリャーグ」と交代する。
「モスクワ」は、対空防衛グループの支援の為に意図されており、この為、巡洋艦の弾薬庫には、特に、S-300クラスの垂直射出ミサイル64発が在る。
システムは距離400キロメートルで目標を探知し、距離25キロメートルで撃破する事が出来る。
高射複合体は距離70キロメートルまでの目標を撃破し、高度25キロメートルまでの有翼ミサイル或いは航空機を撃墜できる。
16基のミサイル「バザーリト」を有する打撃ミサイル複合体は、通常弾頭及び核弾頭の双方を装備でき、300キロメートル離れた水上目標の破壊が可能である。
186メートルの巡洋艦の兵装には魚雷発射管と深海爆雷が有り、必要ならば敵潜水艦を破壊する。
艦尾に配置されているヘリコプターKa-27は捜索救助業務の為に意図されている。
それは設置された機器により潜水艦を検出できる。

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]
10月初頭にはシリアのラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]
10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]
その後も地中海東部へ留まっていました。
11月17日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]
[シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い]
2015年11月24日、シリアでISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点への空爆作戦へ参加していたロシア航空宇宙軍(空軍)の前線爆撃機Su-24がトルコ空軍の戦闘機F-16により撃墜されました。
Su-24のパイロット1名はシリア反政府勢力により殺害され、救助に向かったヘリコプターも攻撃されて不時着し、乗っていた海軍歩兵隊員1名が死亡しました。
(Su-24の航法士は後に救助された)
『インタファクス』より
2015年11月24日配信
【シリアにおけるSu-24墜落】
『朝日新聞デジタル』より
2015年11月24日23時59分配信
【トルコ軍がロシア軍機撃墜 シリア国境、乗員2人死亡か】
『ニューズウィーク日本版』より
2015年11月25日15時35分配信
【トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「決して許さない」】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年11月25日7時19分配信
【トルコ空軍の挑発的な行動に関するロシア連邦軍参謀本部作戦総局長セルゲイ・ルドスコイ中将の声明】
『ロシアNOW』より
2015年11月27日配信
【Su-24のパイロット救出の詳細】
この事件を受け、以前から地中海東部(シリア沖)に居た親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」はラタキア沖に展開し、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト」(射程90km)でラタキアのバーシィル・アル=アサド国際空港/フマイミーン航空基地の防空を担当する事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのロシア空軍基地の防空を担う]
[広域防空システムS-300F「フォルト」/S-300FM「フォルト-M」]
「モスクワ」は11月26日にラタキア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはラタキア沖へ到着した]
以後、「モスクワ」は、補給や休養などの為にタルトゥースへ寄港する以外はラタキア沖に常駐していました。
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