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原子力大型潜水艦プスコフはロシア海軍北方艦隊へ復帰した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年12月28日12時24分配信
【原子力潜水艦「プスコフ」は復帰した】
モスクワ、12月28日-ロシア通信社ノーボスチ

原子力潜水艦「プスコフ」は復旧作業後に北方艦隊の戦闘艦の編制へ復帰した。
北方艦隊広報サービス部長代行アンドレイ・ルジク2等海佐は発表した。

「プロジェクト945A多目的潜水艦プスコフは、艦船修理工場ネルパにおける技術的準備状態の回復を完了し、北方艦隊潜水艦部隊の戦闘艦の編制へ補充されました。
本日、同艦は工場水域から出航し、常時駐留地へ向かいました」
ルジク
は話した。

彼によると、復旧作業中に原子力艦は複合作業を遂行し、艦の技術的リソースの更なる延長と、北極圏において更なる運用の継続が可能となった。

近い内に原子力潜水艦「プスコフ」乗組員は、海洋で一連の潜水艦戦闘訓練を遂行する。


プロジェクト945A「コンドル」(NATOコード名「シエラII」)巡洋潜水艦K-336は1989年7月28日にゴーリキー(現ニジニ・ノヴゴロド)市造船工場「クラースノエ・ソルモーヴォ」で起工されました。

建造中にソ連邦は解体され、1992年6月3日には「原子力大型潜水艦」に再分類され、B-336と改称されました。
1992年7月28日に進水し、8月には内陸水路を通ってセヴェロドヴィンスクへ回航され、最終艤装が行なわれました。

1993年4月6日、「オークン」(スズキ)と命名されました。

1993年8月から10月に掛けて工場航行試験国家受領試験が実施されました。

そして1993年12月14日に受領証書へ署名され、12月17日に海軍旗掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

1994年1月21日、北方艦隊第9潜水艦戦隊・第6潜水艦師団へ編入され、同年10月1日、第7潜水艦師団へ転属しました。

1996年4月3日、「プスコフ」と改名されました。

1997年10月23日、ノルウェー海での戦闘勤務中に深度520メートルまで潜航しました。

2003年2月から3月までムルマンスク近郊ロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。

2011年から艦船修理工場「ネルパ」で修理(と寿命延長近代化)が行なわれ、2014年3月に進水しました。
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「プスコフ」は2014年10月末までに復帰する予定でしたが、結局、艦隊への復帰は2015年12月末になりました。
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現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。
今回の記事に登場する「プスコフ」も含めて。

ただ、プロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。
上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
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