ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)

『タス通信』より
2016年1月3日12時39分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」はシリア沿岸の巡洋艦「モスクワ」と交代する為に地中海へ入った】
モスクワ、1月3日/タス通信
太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」はスエズ運河を通過して地中海へ入った。
東方軍管区広報サービス・情報供給部長ローマン・マルトフは報道機関へ伝えた。
彼は想起した。
「2015年12月下旬、巡洋艦ワリャーグは水と食料の在庫を補充する為、オマーン国のサラーラ港へ業務寄港しました」
(2015年)12月初頭にタス通信が報じたように、「ワリャーグ」は、ロケット巡洋艦「モスクワ」と交代する為にシリア沿岸へ向かっている。
軍艦「モスクワ」は、テロリスト組織「イスラム国」及び「アル=ヌスラ戦線」(両方ともロシアでは非合法グループ)に対するロシアの作戦へ参加している。
11月下旬、トルコ空軍によるロシアの爆撃機Su-24Mへの攻撃の後、対空防衛システム「フォルト」(S-300システムの同類)を装備する巡洋艦は、ラタキア沿岸部海域へ到着し、対空防衛戦闘当直を開始した。
シリアにおけるロシアの対テロリスト作戦は、同国大統領バッシャール・アル=アサドの要請により(2015年)9月30日に始まった。
当初、航空群には、爆撃機Su-34及びSu-24M、襲撃機Su-25、戦闘機Su-30SM、ヘリコプターMi-8及びMi-24を含む約50機の航空機とヘリコプターが含まれていた。
その後、12機の爆撃機及び戦闘機が補充された。
航空群は合計で69機の航空機を有する。
11月17日以降、遠距離航空隊の25機のロケット機Tu-160、Tu-95MS、Tu-22M3が作戦に参加している。
更には、海軍も作戦に加わっている。
ロシア-インド海軍合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加する太平洋艦隊艦船支隊の4隻は、2015年11月2日にウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は2015年12月上旬にベンガル湾で実施される]
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]
支隊は11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]
11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]
11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた]
その後、南下して南シナ海へ向かい、12月2日にはマラッカ海峡を通過してインド洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド洋へ入った]
12月6日、インド東岸のヴィシャーカパトナム港へ到着しました。
[インド海軍との合同演習に参加するロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]
合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は12月7日から始まりました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』が始まった]
太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までヴィシャーカパトナム港へ滞在し、両国海軍代表団による海上演習の打ち合わせ、インド海軍将兵の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」見学、両国海軍将兵のスポーツ大会、ロシア海軍将兵の地元観光などが行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2015年12月8日10時19分配信
【ロシアとインドの軍事船員は合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』で描かれるエピソードの進め方で合意した】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2015年12月8日11時46分配信
【インド海軍の軍事船員は太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を見学に訪れた】
合同演習本部が設置され、ロシア側の演習統制官は太平洋艦隊副司令官アンドレイ・リャブヒン中将、インド側の演習統制官は東海軍コマンド司令官スニル・ボカレ少将が務めました。
因みに、中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』では、ロシア海軍副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将がロシア側の演習統制官を務めています。
12月10日、ロシア海軍とインド海軍の演習参加艦船はヴィシャーカパトナム港を抜錨し、海上での実地演習(アクティブ・フェーズ)を開始しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はヴィシャーカパトナムを抜錨した]
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』を行なっている]
海上での実地演習は12月11日も引き続き行なわれました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』海上段階2日目(2015年12月11日)]
演習は12月12日に完了し、インド海軍のフリゲート「サヒャディ」で最後の会合が行なわれ、送別式典が開催されました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は終了した]
合同演習が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は東西に分かれ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は単独で西へ、その他の3隻(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)は東へ向かいました。
単艦行動になった親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、12月24日から26日までオマーンのサラーラ港へ寄港した後、アデン湾付近で新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は洋上で2016年の元旦を迎える]
そして2016年1月3日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。

「ワリャーグ」と交代する黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、2015年9月下旬にセヴァストーポリを出航して以来、地中海東部に滞在しており、11月下旬以降はシリアのラタキア沖に常駐し、ここで2016年を迎えています。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海東部で新年を迎えた]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2013年にも地中海へ派遣されております。
(2013年8月末出航・2014年1月25日帰港)
[ロケット巡洋艦ワリャーグ地中海遠征(2013年8月-2014年1月)]
現在、地中海東部に居るロシア海軍の艦船は、少なくとも8隻です。
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(黒海艦隊、地中海作戦連合部隊旗艦)
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊)
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」(北方艦隊)
大型揚陸艦「コロリョーフ」(バルト艦隊)
軍用輸送船「ヴォログダ-50」(黒海艦隊)
中型海洋給油船「ドゥブナ」(北方艦隊)
救助曳船SB-406(北方艦隊)
工作船PM-56(黒海艦隊)
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