ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2016年1月9日12時46分配信
【親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は地中海からセヴァストーポリへ戻った】
今日(1月9日)、アレクサンドル・シワルツ親衛1等海佐が艦長を務める親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、地中海での任務遂行後にセヴァストーポリへ戻った。
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は2015年9月24日にセヴァストーポリを出航しており、黒海艦隊旗艦にとって、この遠海ゾーン航海は昨年3度目となった。
巡洋艦の乗組員は地中海の海軍常設連合部隊の一員として行動し、シリア・アラブ共和国領土内のロシア航空基地フマイミーンの対空防衛手段をカバーする任務を遂行した。
セヴァストーポリへ戻ってきた艦は、黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ大将の主催下で遠距離航海からの乗組員の歓迎式典が開催された。
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は地中海において太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と交代した。

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年9月24日にセヴァストーポリを抜錨、翌25日に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海へ入った]
10月初頭にはシリアのラタキア沖に展開し、防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのラタキア沖に居る]
10月4日と10月5日にも演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]
その後も地中海東部へ留まっていました。
11月17日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、地中海東部に居るロシア海軍艦船部隊(地中海作戦連合部隊)に対し、フランス海軍と協力するように指示を出しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはフランス海軍空母機動部隊と協力する]
[シリア沖のロシア海軍艦船部隊がフランス海軍空母機動部隊を『軍事援護』する事は無い]
2015年11月24日、シリアでISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点への空爆作戦へ参加していたロシア航空宇宙軍(空軍)の前線爆撃機Su-24がトルコ空軍の戦闘機F-16により撃墜されました。
Su-24のパイロット1名はシリア反政府勢力により殺害され、救助に向かったヘリコプターも攻撃されて不時着し、乗っていた海軍歩兵隊員1名が死亡しました。
(Su-24の航法士は後に救助された)
『インタファクス』より
2015年11月24日配信
【シリアにおけるSu-24墜落】
『朝日新聞デジタル』より
2015年11月24日23時59分配信
【トルコ軍がロシア軍機撃墜 シリア国境、乗員2人死亡か】
『ニューズウィーク日本版』より
2015年11月25日15時35分配信
【トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「決して許さない」】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2015年11月25日7時19分配信
【トルコ空軍の挑発的な行動に関するロシア連邦軍参謀本部作戦総局長セルゲイ・ルドスコイ中将の声明】
『ロシアNOW』より
2015年11月27日配信
【Su-24のパイロット救出の詳細】
この事件を受け、以前から地中海東部(シリア沖)に居た親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」はラタキア沖に展開し、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト」(射程90km)でラタキアのバーシィル・アル=アサド国際空港/フマイミーン航空基地の防空を担当する事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアのロシア空軍基地の防空を担う]
[広域防空システムS-300F「フォルト」/S-300FM「フォルト-M」]
「モスクワ」は11月26日にラタキア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはラタキア沖へ到着した]
以後、「モスクワ」は、補給や休養などの為にタルトゥースへ寄港する以外はラタキア沖に常駐していました。
[シリアのラタキア沖のロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワを外国の報道陣が訪れた]
2016年の新年はシリア沖で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは地中海東部で新年を迎えた]
その後、姉妹艦の太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が地中海入りした事に伴い、同艦と交代してシリア沖を離れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った]
2016年1月8日にボスポラス海峡を北上し、黒海へ入りました。
そして2016年1月9日、母港セヴァストーポリへ3ヶ月半ぶりに戻ってきました。


黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、2015年には何度も出航し、長期に渡り海上に滞在しています。
・1月1日-1月18日(太平洋遠征からの帰路)
・5月10日(黒海へ出航)
・5月14日-25日(中国海軍との合同演習へ参加)
・6月1日-8月18日(エジプト海軍との合同演習へ参加、大西洋遠征)
・9月17日(黒海で演習)
・9月24日-12月31日(シリア沖に滞在)
記事中で触れられている「モスクワ」の2015年の3度の航海は、同年5月の中国海軍との合同演習、6月-8月のエジプト海軍との合同演習及び大西洋遠征、そして今回のシリア滞在を指しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]
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