ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは就役34周年を迎えた



『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2016年1月12日10時44分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」乗組員は地中海で艦の記念日を迎えた】
地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」の艦上で、来たる記念日であるロシア海軍旗掲揚の日に捧げられる式典が開催された。
乗組員は儀礼用の制服でヘリコプター発着場に整列し、短い集会が開催された。
同艦の艦長スタニスラフ・ヴァリク1等海佐は、式典で船員を祝福し、これは、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」にとって、海上で迎えた最初の誕生日(就役記念日)では無い事を指摘した。
艦の持つポテンシャルは、長期航海において与えられた全ての任務を成功裏に果たす事を可能とする。
近年において、それは北方艦隊で最も航行した艦の1隻である。
現在、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」は、地中海における指揮グループの計画下のロシア海軍作戦連合部隊の一員として行動している。
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」艦上では、祝賀行事の他、船体の吃水線エリアに損傷が発生し、区画内へ海水が流入するという(想定下で)艦のダメージコントロール演習が実施された。
緊急事態班の要員は、破孔を塞ぎ、区画への仮想浸水の排水活動へ取り組んだ。
加えて、艦内演習が実施され、戦闘情報センター部門は、水中目標の検出及び分類、そして艦載兵器の仮想使用へ取り組んだ。
大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」の遠距離航海は3ヶ月に渡り続いている。
船員は(2015年)10月23日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクを出発した。
この間に彼等は12600海里以上を航行し、リマソール港(キプロス)、カラチ港(パキスタン)、サラーラ港(オマーン)を訪問した。
ロシア艦は、インド洋北部で実施された国際対麻薬演習『アラビアン・モンスーン-2015』へ参加した。
大型対潜艦の乗組員は、パキスタン海軍の艦との連携行動へ取り組んだ。
その航路において、北方艦隊将兵はアデン湾と紅海の民間船舶航行の安全保障に従事した。
[大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-)]
プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役、2010年12月7日再就役)は、2015年10月23日に大西洋へ向けて出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは大西洋へ向かった]
それから4日後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海から英仏海峡へ行く]
11月2日には英仏海峡を抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはビスケー湾へ入った]
11月4日未明、ジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
11月5日~6日には艦載ヘリコプターKa-27の訓練が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの艦載ヘリコプターKa-27は地中海で訓練を行なった]
11月9日、チュニス海峡(シチリア海峡)で黒海艦隊の大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」からディーゼル燃料(軽油)と真水の洋上補給を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはシチリア海峡付近で洋上補給を行なった]
その後、地中海東部へ向かい、11月13日にはキプロスのリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソールを訪れた]
リマソール港を出た後、11月20日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]
11月23日、紅海で対テロ演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは紅海で対テロ演習を実施した]
11月26日にはアデン湾で対テロ演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアデン湾で対テロ演習を実施した]
11月末にオマーンのサラーラ港へ寄港して物資を補充した後、アラビア海へと去りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオマーンのサラーラ港へ寄港した]
12月4日、パキスタンのカラチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはパキスタンを訪れた]
12月6日にカラチを出航し、パキスタン海軍との麻薬密輸取締の為の合同演習『アラビアン・モンスーン-2015』がアラビア海北部で始まりました。
[アラビア海でロシア海軍とパキスタン海軍の合同演習『アラビアン・モンスーン-2015』が始まった]
12月8日には演習を終えてカラチへ戻りました。
[ロシア海軍とパキスタン海軍の合同演習『アラビアン・モンスーン-2015』は完了した]
12月10日にカラチを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはパキスタンを去った]
12月16日、再びオマーンのサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは再びオマーンを訪れた]
サラーラ港を出た後、紅海へ向かい、その航路上で艦内演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは紅海で演習を実施した]
12月23日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはスエズ運河を通過して地中海へ入った]
その後も地中海東部に留まっており、ここで2016年の新年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは地中海東部で2016年の元旦を迎える]
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは地中海東部で新年を祝った]
そして2016年1月10日に海軍旗初掲揚(1982年)-海軍へ就役-から34年目の記念日を迎えました。
(ロシア海軍においては、海軍旗初掲揚式典が開催された日が艦の誕生日、即ち就役記念日となる)
プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のジダーノフ記念造船工場(現セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で1977年11月4日に起工、1980年5月16日に進水し、1981年12月26日に受領-引渡証書へ署名され、1982年1月10日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式に海軍へ就役しました。
[ウダロイ級2番艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ]
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」就役28周年]
1980年代には活発に行動しておりましたが、1990年9月にはオーバーホールの為にクロンシュタットへ回航されました。
しかしソ連邦解体後、約10年間放置され、2000年代初頭からサンクトペテルブルクで修理と近代化改装が始まりました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]
2010年1月下旬から航海試験を開始し、同年12月7日に北方艦隊へ復帰しました。
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」、航海試験開始]
2011年8月、攻撃ヘリコプターKa-52の着艦試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]
2012年2月初頭からは乗員が契約軍人(志願兵)のみとなりました。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]
2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就きました。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]
2013年5月から9月まで地中海、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
(2013年5月11日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは長期航海を終えて基地へ戻った]
2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]
2015年3月から7月末までムルマンスクの第35艦船修理工場でガスタービン機関を含むにオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]
その後は何度かバレンツ海で演習を行ない、そして2015年10月23日に遠距離航海へ出発し、現在に至っています。
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