fc2ブログ

ロシア国防省と統合造船業営団は改ボレイ級戦略原潜の供給契約に署名した

5月28日、以前から価格を巡って揉めていた新世代戦略原子力潜水艦「改ボレイ」級の契約が、ようやく署名されました。
12-0529a.jpg


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【国防省はボレイの供給契約を締結した】
2012年5月29日

ロシア連邦国防省は、ロシア海軍へ5隻の「ボレイ」プロジェクト原子力水中ロケット艦を供給する為、「統合造船業営団」との契約に署名した。
5月28日、『インタファクス』は、「統合造船業営団」公式代理人アレクセイ・クラフチェンコの発表を報じた。

代理人によると、2012年の国家防衛発注の枠内で2つの契約に署名された。
1つ目は、5隻の「ボレイ」を建造する為の「セヴマシュ」造船所とのものである。
2つ目の契約は、軍事情報筋によると、これらの潜水艦の試験開発作業を担当した海洋工学中央設計局「ルビーン」との間で締結された。

一方、ロシア通信社ノーボスチは、クラフチェンコ氏の発言を引用し、3つの契約に署名されたと報じた。
代理人によれば、「セヴマシュ」「ボレイ-A」の建造のみであり、4隻の潜水艦を建造する契約は、直接「統合造船業営団」と締結した。

以前、国防省「統合造船業営団」は、「ボレイ」供給の為の価格についての意見が一致していなかった。
軍当局は、潜水艦の価格を1240億ルーブルから870億ルーブルに減額する事を望み、「統合造船業営団」は、それとは反対に契約額を1300億ルーブルに増額する事を主張した。

5月25日、ウラジーミル・プーチン大統領は、ノヴォ-オガリョヴォにおいて、価格を巡る紛争の解決を目的とする会合を開いた。
産業通商相デニス・マントゥロフは、最終的に「提案の間の妥協点が見出せました」と述べた。

『コメルサント』によると、この妥協は、「統合造船業営団」「ボレイ」建造で1240億ルーブルを受け取り、2015年には追加資金を要求できるというものである。



記事中にもありますが、「改ボレイ」級戦略原潜(「ボレイ」級4番艦以降)の契約を巡っては、その価格で国防省と造船業界の意見が一致せず、契約を締結できずにいました。

5月初頭、アナトーリー・セルジュコフ国防相は、「統合造船業営団」会長ローマン・トロチェンコを招いて「改ボレイ」級戦略原潜の契約に署名しようとしましたが、この時、セルジュコフは造船業サイドが求める契約総額の30パーセント減額を提示して蹴られました。

「改ボレイ」級戦略原潜(「ボレイ」級4番艦以降)は、弾道ミサイル搭載数が増加するなどの改正を加えたタイプなので、初期建造艦と同じ価格では造れないという事です。
[新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降はSLBM搭載数が20基に増加する]

その後、統合造船業営団は、価格を20パーセントまで減額する事には同意しましたが、今度は、国防省側が35パーセントの減額を求め、またも破談。

結局、プーチン大統領が乗り出し、ようやく契約締結に漕ぎ着けたというわけです。

ロシア連邦「2011-2020年の国家兵器調達プログラム」において、「ボレイ」級戦略原潜は8隻調達される計画です。
[ロシア国防省は、戦略原潜ボレイ級8隻と多用途原潜ヤーセン級8隻を2020年までに調達する]
関連記事
スポンサーサイト