ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2016年末から始まる

『タス通信』より
2016年1月16日20時31分配信
【ロシア連邦海軍:空母「アドミラル・クズネツォフ」の近代化は2016年末に始まる】
モスクワ、1月16日/タス通信
ロシアで唯一の航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の開始は、2016年末になるだろう。
ラジオ局『ロシアニュースサービス』の生放送でロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ1等海佐は伝えた。
「今日において、同艦は技術的準備状態の回復を行なう必要があり、2016年中には、その意図された任務を解決します。
2016年末には近代化工事へ取り掛かる事になり、近代化の後、新たな航空団と新たな能力を取得し、その任務を解決する量は2-3倍になります」
トリャピチニコフは話したが、工事期間及び実行場所については明らかにしなかった。
彼は、同艦の航空団は更新され、新たな航空機MiG-29K及び他の航空機が含まれると説明した。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]
2015年5月-8月には、ロスリャコヴォの大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]
2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]
「アドミラル・クズネツォフ」に関しては、これまでにも何度か近代化改装の話が出ています。
2010年4月には、2012年から5年間掛けて大規模な近代化改装という話が出てきました。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]
2013年9月には、2014年から5年間掛けて大規模な近代化改装という話が出てきました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2014年から近代化改装を開始する]
しかし、いずれも立ち消えになりました。
[空母アドミラル・クズネツォフの近代化は妨げられている]
[空母アドミラル・クズネツォフの近代化は先延ばしされている]
最近では、2020年代後半(2017-2018年)から近代化改装を行なうという話になっています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2010年代後半に近代化改装を行なう]
「アドミラル・クズネツォフ」搭載機の近代化も進められています。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
そして今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が2016年末から開始される事を明らかにしました。
近代化改装の開始が今年末ですから、その前に、新たな艦上戦闘機MiG-29Kを載せて一度は「戦闘勤務」(この場合は大西洋或いは地中海への遠距離航海)を実施するかもしれません。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
ただ、トリャピチニコフ氏は、近代化改装の期間(以前には5年或いは3年と言われていた)や改装工事を行なう場所(以前にはセヴェロドヴィンスク市の「セヴマシュ」で行なうと言われていた)に関しては一切言及していませんが・・・
近代化改装の内容にも全く触れていませんが、寿命延長工事は当然行なわれるでしょうし、電子機器や兵装なども換装されるかもしれません。
もしも兵装の換装が実施されるのならば、新たに装備される兵装は、おそらくは「パーンツィリ-M」と「M-トール」になるでしょう。
[パーンツィリ-Mは近い将来にロシア海軍へ採用される]
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される]
近代化改装される「アドミラル・クズネツォフ」が機関(蒸気タービンエンジン)そのものを換装する可能性は有りませんが、ボイラーは新型に交換される可能性は有ります。
インドへ売却された空母「ヴィクラマーディティヤ」のように。

[重航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフ改め航空母艦ヴィクラマーディティヤはインド海軍へ引き渡された]

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