ロシア海軍の将来原子力空母は2030年に就役する
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年1月16日22時32分配信
【ロシア海軍は2030年に原子力空母を受領する】
モスクワ、1月16日-ロシア通信社ノーボスチ
核動力装置(原子力機関)を装備する航空母艦の竣工とロシア海軍の戦闘編制への移管は2030年に計画されている。
土曜日、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ1等海佐は表明した。
航空巡洋艦は、ロシア海軍の(水上)艦と潜水艦の戦闘安定性を保障する為に意図されている。
特に最も重要なのは戦略用途ロケット艦である。
「2030年末には、この艦を海軍は有している事でしょう」
トリャピチニコフは『ロシアニュースサービス』の生放送プログラム「参謀本部」で話した。
彼は、航空母艦が「今日の条件として、特別な動力装置を装備しなければならない」と指摘した。
海軍造船管理部長は、将来航空艦の排水量については明確にしなかった。
「将来駆逐艦プラットフォーム"リデル"をベースとするこの艦は、軽空母か、或いは、より大きな排水量の艦になるでしょう」
トリャピチニコフは選択肢を列挙した。
現在、ロシア海軍には、甲板配置航空機の使用を提供可能な唯一の艦-重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」が在る。

ソヴィエト社会主義共和国連邦のニコラエフ生産合同「黒海造船工場」(ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国)の造船台では、初めての国産空母「ウリヤノフスク」の船体が建造されたが、その後、独立したウクライナ当局は、解体を決定した。
この艦は、ソヴィエトで最初の原子力空母として建造された。

[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーションが検討されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t未満)
建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
将来正規空母の建造開始時期は、今のところは未定です。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]
将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]
将来正規空母のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
将来正規空母建造の中核となるのはセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]
[ロシア造船業界は2019年にはロシア海軍の為の将来正規空母の建造が可能となる]
将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、2030年の就役が見込まれる将来正規空母の動力について「特殊な動力装置」と述べていますが、これは通常動力では無い、つまり原子力機関を意味しています。
2030年の就役を見込んでいるのならば、起工は遅くとも2020年代初頭になるでしょう。
将来正規空母のサイズに関してトリャピチニコフ氏は「軽空母か、或いは。それよりも大きな艦かもしれない」と述べているので、上記の3つのヴァリエーションの内、軽空母(或いは「(軽空母よりも)大きい艦」即ち中空母)が有力視されているようです。
将来空母が将来駆逐艦「リデル」をベースにするというのは、おそらくは「リデル」と同じ原子力機関を搭載するという意味でしょう。
[ロシア海軍の将来駆逐艦リデルは将来正規空母の基礎となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]
排水量約50000トンの「原子力軽空母」は、インドへ売却された空母「ヴィクラマーディティヤ」(元ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)よりもやや大きい艦になるでしょうし、それよりも大きい「原子力中空母」(60000トン級)は、ロシア海軍の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」よりもやや大きな艦になるでしょう。
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