ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキのロシア海軍への引き渡しは2019年に延期される
- カテゴリ:プロジェクト677ラーダ潜水艦

『タス通信』より
2016年1月16日9時48分配信
【情報筋:海軍は計画よりも遅れて2019年にのみ新たな2隻の「ラーダ」型潜水艦を受領する】
サンクトペテルブルク、1月16日/タス通信
プロジェクト677「ラーダ」の第2及び第3の潜水艦は、予定時期よりも遅れてロシア海軍へ引き渡される-2019年に。
土曜日、タス通信はロシア海軍総司令部の情報提供者より伝えられた。
昨年、防衛産業の情報提供者は、海軍は2隻の「ラーダ」を2017年と2018年に受領するとタス通信へ話した。
このデータは、潜水艦を建造している「アドミラルティ造船所」総取締役第1代理アンドレイ・ブイストロフにより確認された。
「延期は、両方のラーダ-クロンシュタット及びヴェリーキエ・ルーキで見込まれています-2019年に」
総司令部の対談者は話した。
彼によると、これは、国家防衛発注の調整に関連している。
情報提供者は、潜水艦シリーズの2隻目と3隻目の建造は「北方艦隊におけるラーダのトップ(註:サンクトペテルブルク)の運用中に示された全ての所見を考慮に入れて」行なわれている事を強調した。
これらの潜水艦への非大気依存発電装置の設置の可能性については「海洋試験の結果を待つ必要があります」と対談者は指摘した。
「ラーダ」型潜水艦は、第4世代非核動力潜水艦に属している。
以前の「ワルシャワンカ」型潜水艦に比べ、「ラーダ」の水上排水量は、2300トンに対して約1750トンであり、そして速力は、水中で21ノットに達する。
新世代潜水艦は、非常に低い騒音レベルと高レベルの自動化により特徴付けられる。
その主な兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」である。
プロジェクト677潜水艦の建造は、ほぼ20年に渡り続いている:潜水艦シリーズのトップ「サンクトペテルブルク」は1997年に起工され、2010年に海軍へ引き渡された時点で試験運用のままであった。
「クロンシュタット」と「ヴェリーキエ・ルーキ」は2005年と2006年に起工された。
その建造は中断し、2013年から再開された。
この時、軍は新たな「ラーダ」型潜水艦に非大気依存発電装置の装備を計画した。
それは、潜水艦の水中滞在時間を更に増加させ、敵から攻撃されにくくなる事を可能にする。
しかしながら、この装置の海洋試験は2016年から開始される。
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
ロシア海軍の第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。
その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦と3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]
2番艦「クロンシュタット」は2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。

[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]
2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。
[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]
これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]
一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]
以後、「サンクトペテルブルク」は北方艦隊に留まり、試験運用を続けています。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年も試験運用を継続する]
そして今回、「ロシア海軍総司令部の(匿名の)情報提供者」は、「ラーダ」級2番艦「クロンシュタット」と3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」のロシア海軍への引き渡しは、2019年に延期されると「タス通信」へ話しました。
(以前には「クロンシュタット」は2017年、「ヴェリーキエ・ルーキ」は2018年に引き渡される予定だった)
理由は「国家防衛発注の調整」との事です。
つまり、「ラーダ」級潜水艦の建造へ割り当てる筈の資金を他に振り向け、「ラーダ」級の完成は後回しにするという事でしょう。
「ラーダ」級4番艦の建造も計画されていましたが、中止されるかもしれません。
[ロシア海軍の為の4隻目のラーダ級潜水艦建造契約の準備が進められている]
- 関連記事
-
- ロシア海軍は第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の建造を中止するつもりは無い
- ロシア海軍は第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の調達を3隻で打ち切る
- ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキのロシア海軍への引き渡しは2019年に延期される
- ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年も試験運用を継続する
- ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される
スポンサーサイト