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ロシア海軍は第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の調達を3隻で打ち切る

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年1月19日12時2分配信
【ロシアは潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の建造を停止する】
モスクワ、1月19日-ロシア通信社ノーボスチ

ディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト677「ラーダ」のこれ以上の建造は行なわず、資金はプロジェクト「カリーナ」(改善された「ラーダ」)へ振り向けられる。
ロシア通信社ノーボスチは火曜日にロシア海軍総司令部の高位の代理人より伝えられた。

現在、このプロジェクトのトップ潜水艦「サンクトペテルブルク」は試験運用中であり、北方艦隊で試験が行われている。
他の2隻は既に「アドミラルティ造船所」で起工されており、潜水艦「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」は完成する。

「海軍司令部は、2隻の潜水艦プロジェクト677ラーダを完成させ、これで建造を終了する決定を採択しました。
このプロジェクトの3隻の潜水艦は、バルト艦隊の戦闘編制へ加わります。
資金は、プロジェクト"カリーナ"へ振り向けられます」

対談者は話した。

彼は、中央設計局「ルビーン」は、現在、嫌気性(非大気依存)装置を有する新たなプロジェクト「カリーナ」へ取り組んでいる事を強調した。
それは2020年以降に展開される。

潜水艦プロジェクト677(コード名「ラーダ」)のトップ「サンクトペテルブルク」は1997年に起工され、2004年に進水し、2010年から海軍で試験運用中である。
艦の排水量は1765トン、限界潜航深度300メートル、乗組員35名、自立航行期間45日、口径533mm魚雷とロケット魚雷で武装する。

嫌気性発電装置は、ロシア防衛産業企業体の最新の開発成果である。
その主な利点は、潜水艦の隠密性の増加にある:潜水艦はバッテリー充電の為に浮上する事無く、長期に渡り水中に滞在する機会を得る。


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]

ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

2番艦「クロンシュタット」は2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。

[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]

以後、「サンクトペテルブルク」北方艦隊に留まり、試験運用を続けています。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年も試験運用を継続する]

「ラーダ」級2番艦「クロンシュタット」と3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年に延期される事になるようです。
(以前には「クロンシュタット」は2017年、「ヴェリーキエ・ルーキ」は2018年に引き渡される予定だった)
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキのロシア海軍への引き渡しは2019年に延期される]

そして今回、「ロシア海軍総司令部の(匿名の)高位の代理人」は、「ラーダ」級の建造が3隻で打ち切られる事を明らかにしました。
既に建造工事が進められている2隻は完成させるが、それ以上の新規建造は行なわないという事です。

以前には「ラーダ」級4番艦の建造も計画されていましたが、当然、これも取り止めとなります。
[ロシア海軍の為の4隻目のラーダ級潜水艦建造契約の準備が進められている]

3隻の「ラーダ」級は纏めてバルト艦隊へ配備されます。


既に「ラーダ」級の次の世代となる第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」の設計作業が海洋工学中央設計局「ルビーン」により進められており、今後は「カリーナ」の建造へ移行する事になります。
[ロシア海軍の為の第5世代通常動力潜水艦カリーナ級の予備設計作業は完了した]
[ロシア海軍の為の第5世代通常動力潜水艦カリーナ級の建造は2020年以降に始まる]

海洋工学中央設計局「ルビーン」は、通常動力潜水艦の為の新たな非大気依存発電装置(AIP機関)及びリチウムイオンバッテリーの開発も進めています。
[ロシア海軍の新世代潜水艦の為のAIP機関の試験は進んでいる]
[ロシアは潜水艦用のリチウムイオン電池の試験に成功した]

新たな非大気依存発電装置(AIP機関)第5世代潜水艦「カリーナ」に装備されるようです。
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