ロシア海軍は第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の建造を中止するつもりは無い
- カテゴリ:プロジェクト677ラーダ潜水艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年1月21日12時40分配信
【ロシア連邦海軍は、潜水艦プロジェクト「ラーダ」の終了を否定した】
サンクトペテルブルク、1月21日-ロシア通信社ノーボスチ
今日においてディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト677「ラーダ」シリーズの建造中止は考慮されていない。
木曜日、ロシア連邦海軍公式代理人イーゴリ・ディガロ1等海佐は記者団へ表明した。
彼は、潜水艦プロジェクト「ラーダ」のこれ以上の建造は行なわず、資金はプロジェクト「カリーナ」(改善された「ラーダ」)へ振り向けられるという報道が出てきた事についてコメントした。
「この問題(潜水艦「ラーダ」の建造を中止する)は、総司令部のレベル、または産業界の指導部レベルにおいて、意見すら出ておりません。
更に2隻のラーダの建造は、異なる段階に在ります。
最初のラーダ-潜水艦サンクトペテルブルクの試験運用に基づき、私共は、この潜水艦の必要隻数を纏め上げます。
これは、建造を中止するという話ではありません」
ディガロは話した。
潜水艦プロジェクト677(コード名「ラーダ」)のトップ「サンクトペテルブルク」は1997年に起工され、2004年に進水し、2010年から海軍で試験運用中である。
艦の排水量は1765トン、限界潜航深度300メートル、乗組員35名、自立航行期間45日、口径533mm魚雷とロケット魚雷で武装する。
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
ロシア海軍の第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。
しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。
その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦と3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]
2番艦「クロンシュタット」は2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]
2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。
[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]
これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]
一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]
以後、「サンクトペテルブルク」は北方艦隊に留まり、試験運用を続けています。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年も試験運用を継続する]
「ラーダ」級2番艦「クロンシュタット」と3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」のロシア海軍への引き渡しは、2019年に延期される事になるようです。
(以前には「クロンシュタット」は2017年、「ヴェリーキエ・ルーキ」は2018年に引き渡される予定だった)
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキのロシア海軍への引き渡しは2019年に延期される]
2016年1月19日、「ロシア海軍総司令部の(匿名の)高位の代理人」は、「ラーダ」級の建造が3隻で打ち切られると発言しました。
[ロシア海軍は第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の調達を3隻で打ち切る]
今回のロシア海軍広報部長イーゴリ・ディガロ氏の談話は、これを否定するものです。

但し、「ラーダ」級の4番艦以降の具体的な建造予定には一切触れていません。
以前には2015年末までに発注し、建造契約を締結する予定だった「ラーダ」級4番艦にも言及されておらず、未だ具体的な建造計画は無いようです。
[ロシア海軍の為の4隻目のラーダ級潜水艦建造契約の準備が進められている]
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