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ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年2月5日12時13分配信
【情報筋:ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は2020年までに近代化される】
モスクワ、2月5日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2020年までに修理及び近代化を実施し、艦は新たな電波技術兵装及び動力装置を受け取る。
ロシア通信社ノーボスチは金曜日にロシア軍事産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「2020年までの期間に太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦ワリャーグの修理と近代化が実施されます。
近い内に、この工事を実行する企業が決められます」

対談者は話した。

彼は、巡洋艦は電波技術兵装、更には様々な通信装備が更新され、艦の寿命が保障(延長)される事を明らかにした。
修理及び近代化により、巡洋艦は推進装置を受け取る。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、当初は「チェルヴォナ・ウクライナ」の名前で1980年代半ばに建造され、1989年に(海軍へ)加わった。
巡洋艦は、太平洋艦隊旗艦となった1996年に現在の名前を与えられた。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」の排水量は11490トン、最大長186メートル、幅20メートル。
巡洋艦は30日間の自立航行期間と7500海里の航行距離を有する。
「ワリャーグ」の乗組員は480名で構成され、艦には16基の対艦ミサイル複合体「ヴルカーン」の発射装置が配置されている。


プロジェクト1164ロケット巡洋艦の3番艦「チェルヴォナ・ウクライナ」は、1979年7月31日にウクライナ共和国ニコラエフ市61コムーナ造船工場で起工され、1982年7月27日に進水し、1989年12月25日に海軍へ納入され、1990年1月7日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
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1990年9月27日にセヴァストーポリを出航し、同年11月5日にペトロパヴロフスク-カムチャツキーへ到着しました。
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ロケット巡洋艦「チェルヴォナ・ウクライナ」太平洋艦隊・カムチャツカ小艦隊・第173ロケット艦旅団へ編入され、カムチャツカ方面で行動していました。
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しかし、ソ連邦解体後、財政難により太平洋艦隊の大型水上艦は次々と退役し、1990年代半ばには巡洋艦クラスで稼働状態に在るのはカムチャツカに居る「チェルヴォナ・ウクライナ」のみとなってしまいました。
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1996年2月9日、「チェルヴォナ・ウクライナ」は、建造中止となったプロジェクト11436親衛重航空巡洋艦「ワリャーグ」(現在の中国海軍航空母艦「遼寧」)の親衛称号と艦名を受け継ぎ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」となり、カムチャツカから沿海地方へ配置換えされました。

1996年7月28日にウラジオストクで開催されたロシア海軍記念日観艦式が、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」の初の御披露目となりました。

1998年にはウラジオストクで小修理が行なわれました。

2002年10月10日から15日まで日本横須賀を公式訪問し、日本海上自衛隊創設50周年国際観艦式に参加しました。
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2005年秋にはインドヴィシャカ―パトナムを訪れ、インド海軍との合同演習『インドラ-2005』へ参加しました。

2006年春から2008年1月初頭までウラジオストク艦船修理工場ガスタービンエンジンの交換を含むオーバーホールが行なわれました。
[スラヴァ級ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」復帰(2008年1月17日~2月11日)]
[ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」の洋上テストは続く]
[ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」、長期修理後の洋上テスト開始]

2008年1月末に復帰した後は活発に動いており、2010年にはアメリカサンフランシスコ、2011年には日本舞鶴グアム島カナダバンクーバーを訪問しました。

2012年から始まった中国海軍との合同演習『海洋協同』には毎年参加し、2013年には地中海へ派遣され、2014年にはオーストラリア沖まで進出しました。

2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加した後、2016年1月初頭に地中海へ入りました。

現在も「ワリャーグ」地中海東部-具体的にはシリアラタキア沖に居ます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
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その「ワリャーグ」ですが、今回、「ロシア軍事産業企業体の(匿名の)情報提供者」から、2020年までに近代化改装を行なうという話が出てきました。

プロジェクト1164ロケット巡洋艦は3隻とも近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]

現在は1164の2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装がセヴェロドヴィンスクで行なわれています。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]

以前には、他の1164-「モスクワ」及び「ワリャーグ」の近代化改装もセヴェロドヴィンスクで実施されると言われていました。
[スラヴァ級ロケット巡洋艦はセヴェロドヴィンスクで近代化される]

しかし、今回の「ロシア軍事産業企業体の(匿名の)情報提供者」の談話を読む限り、「ワリャーグ」の近代化改装を何処の艦船修理工場で実施するのかは未だ決まっていないようです。

近い内に近代化改装を実施する工場が選定されるとの事ですが、その結果次第(セヴェロドヴィンスクで実施される事になった場合)では、今後シリア沖からセヴェロドヴィンスクへ行き、近代化改装を開始する事になるかもしれません。

近代化改装の中身については、レーダー通信システムの換装、ガスタービンエンジンの交換、寿命延長工事になるようです。
おそらくは「マルシャル・ウスチーノフ」と同様に3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」が装備されることになるでしょう。
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