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既に6隻の新世代戦略原潜ボレイ級が建造されている

5月28日、以前から価格を巡って揉めていた新世代戦略原子力潜水艦「改ボレイ」級(5隻)の契約が、ようやく署名されました。
[ロシア国防省と統合造船業営団は改ボレイ級戦略原潜の供給契約に署名した]

しかし、まだ正式には起工されていないものの、「改ボレイ」級3隻(「ボレイ」級4番艦、5番艦、6番艦)の建造工事は、既に「セヴマシュ」造船所で開始されています。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシアは6隻のボレイ級潜水艦を建造していると防衛産業企業体の代理人は述べた】
モスクワ、6月1日-ロシア通信社ノーボスチ

既に6隻の戦略用途ロケット水中巡洋艦「ボレイ」級及び「ボレイ-A」級(プロジェクト955及び955A)が、異なる生産段階にある。
金曜日、防衛産業企業体の高位の代理人はロシア通信社ノーボスチに語った。

「既にボレイ-Aのトップ艦の船体は形成されており、更に2011年、セヴマシュは、5番艦及び6番艦の船体の準備作業を開始しました」
彼は述べた。

彼は、最初の2隻のプロジェクト955潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」及び「アレクサンドル・ネフスキー」は、正式採用の準備が出来ている事を想い起した。
3隻目の「ボレイ」「ウラジーミル・モノマーフ」の建造は、2013年に完了する。

同プロジェクト戦略潜水艦は、ロシア海洋核戦力の基盤となり、この為に作られた海洋大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の正式採用が準備されている。

前日、「統合造船業営団」は、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとの会談において、近代化された戦略原子力水中ロケット艦プロジェクト955A(ボレイ-A)の設計及び建設契約に署名した事を認めた。

合計で、3つの契約が締結された。
近代化されたプロジェクト955A(ボレイ-A)のトップ潜水艦の設計に関する海洋技術中央設計局「ルビーン」との契約。
同プロジェクトのトップ潜水艦を建造する株式会社「生産連合セヴマシュ」との契約。
原子力潜水艦プロジェクト955Aのシリーズ艦を建造する「統合造船業営団」との契約。

作業の価格及び期日は、全て国家軍備プログラムに従って実施される。

「この契約締結は、ロシアの拡大を可能とし、国家元首の最新の戦略水中ロケット艦のグループ化の期日を確立し、国民の安全保障を確実にし、更には、防衛産業企業体の充実と近代化を提供します」
統合造船業営団の発表では、こう説明された。

国家軍備プログラム-2020により、同クラス潜水艦8隻の建造及び正式採用が予定されている。

以前、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」からの「ブラヴァー」ミサイル発射に成功した場合、同艦及び「ユーリー・ドルゴルーキー」は、同時に2012年に海軍へ正式採用できるとロシア通信社ノーボスチに伝えた。

戦略用途水中ロケット巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」(プロジェクト955「ボレイ」)は、海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)が設計した第4世代水中ロケット艦シリーズのトップである。
1996年11月2日に「セヴマシュプレドプリャーチェ」で起工され、同時に「ユーリー・ドルゴルーキー」と命名された。
全長170メートル、幅13.5メートル、総排水量2万4千トンの巡洋艦の武装は、16基の「ブラヴァー」ミサイルである。

ロシア海軍司令部の計画によると、プロジェクト955戦略潜水艦は、現在、戦闘勤務に在る潜水艦プロジェクト941(「アクラ」、NATO分類「タイフーン」)、プロジェクト667BDR(カリマール、NATO分類デルタIII)プロジェクト667BDRM(デルフィン、NATO分類デルタIV)が艦隊の戦闘編制から除かれる2018年以降、ロシアの海洋戦略核戦力の中核とならなければならない。
(2012年6月1日16時07分配信)


「ボレイ-Aのトップ艦」というのは、1隻目の改ボレイ級、つまり「ボレイ」級の4番艦(予定艦名「聖ニコライ」)を指しています。
「ボレイ」級4番艦以降は、弾道ミサイル搭載数が増加するなどの改正を加えたタイプ(ボレイ-A)となります。
[新世代戦略原潜ボレイ級4番艦以降はSLBM搭載数が20基に増加する]

「ボレイ」級を建造する「セヴマシュ」総取締役アンドレイ・ジャチコフは昨年12月に、改ボレイ級の建造の準備が行なわれていると発言しています。
[新世代戦略原潜「ボレイ」4番艦(改ボレイ級)は2012年に起工される]

「ボレイ」級4番艦の建造作業は、2009年12月から開始されました。
[ボレイ級戦略原潜4番艦の建造作業は既に始まっている]

ロシア連邦「2011-2020年の国家軍備プログラム」において、「ボレイ」級戦略原潜は8隻調達される計画です。
[ロシア国防省は、戦略原潜ボレイ級8隻と多用途原潜ヤーセン級8隻を2020年までに調達する]


なお、上記のロシア通信社ノーボスチの記事の文末では、ロシア海軍の現用戦略原潜が2018年以降に退役すると書かれていますが、プロジェクト667BDRM(デルタIV級)は寿命を延長して2020年代前半まで現役に留まります。
つまり、「ボレイ」級が計画通り2020年までに8隻揃ったとしても、この時点でデルタIV級は現役に留まっています。
[全てのデルタIV級戦略原潜は寿命を35年に延長する]

搭載する弾道ミサイルは、現用のR-29RMU2「シネーワ」の改良型R-29RMU2.1「ライネル」に更新されます。
[ロシア海軍のデルタIV及びデルタIII級原潜は「ライネル」を装備する]

「ライネル」を装備する「デルフィン」(プロジェクト667BDRM)は、2025~2030年まで現役に留まるという情報も有ります。
『LENTA.RU』より。
2012年2月24日15時00分配信
【ロシアは「ライネル」開発作業を完了した】
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