ロシア海軍は自動化原潜の建造を検討する

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年2月24日12時50分配信
【(ロシア)海軍はロボット原子力潜水艦の建造の実現性について検討する】
ロシア海軍は、艦内システムの自動化により乗員数を大幅に削減するロボット原子力潜水艦の建造の実現性について検討する。
『Lenta.Ru』は防衛産業の情報提供者より伝えられた。
類似する潜水艦は、以前にソヴィエト社会主義共和国連邦で建造されており、専門家によると、新たな技術は、より確実な同類の作成を可能にする。
「我々は、1970-90年代にプロジェクト705(705K)リラ潜水艦で20年以上の運用経験を有しております。
これは非常に野心的なプロジェクトでしたが、同時に、あまりにも多くの新たな技術的解決策が不十分なものとなりました」
対談者は話した。
専門家によると、ソヴィエトのプロジェクト705潜水艦の乗組員は、同クラスの同年代の潜水艦の70名以上に対し、32名までに減少したが、非常に成功したとは言い難い。
何故なら、技術的保障(メンテナンス)の複雑性は、航海の間の長期間の中断を招いたからである。
同時に、事故の犠牲者の不在にも関わらず、これらの原子力潜水艦の設備の信頼性は不十分であり、定期的な軽度の故障の為に戦闘即応性は低下した。
「革新的な液体金属冷却原子炉、高度な自動化機器、チタン合金製の船体を含む他の多くの技術革新を同時に使用し、なおかつ、その全てがコンパクトなサイズに統合されたプロジェクト705のような完全に革命的な潜水艦を建造する必要性など全く有りません」
情報提供者は指摘した。
「より合理的な方法は、向上した自動化の使い古された技術的解決策に基づく、このクラスの排水量の通常のロボット潜水艦の作成です。
潜水艦の乗組員は、50-55名から30-40名まで削減する事が出来ます」
プロジェクト705(705K)「リラ」原子力潜水艦は、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の為に、1968年からレニングラードで、1967年からセヴェロドヴィンスクで建造され、セヴマシュでの潜水艦のトップの建造は、1971年に就航したレニングラードの潜水艦のトップK-64の核動力装置の事故の調査に関連し、1977年まで延期された。
1971年から1981年までにソヴィエト社会主義共和国連邦海軍は同プロジェクト潜水艦を計7隻受領した。
NATOからコード名アルファを貰ったプロジェクト705原子力潜水艦は、鉛及びビスマス合金をベースにした冷却材の原子炉の使用、高速(41ノット)、大いなる潜航深度、広範囲の自動化の採用において一線を画している。
全ての電子機器及び兵装の艦内総合管理システムは、潜水艦の主指揮所に集中された。
1990年代にプロジェクト705潜水艦は海軍の編制から除かれ、(90年代)後半には廃棄-解体された。

プロジェクト705/705K「リラ」(NATOコード名「アルファ」)巡洋潜水艦(1992年6月3日から原子力大型潜水艦)は、レニングラード及びセヴェロドヴィンスクで7隻が建造され、1971年から1981年に掛けて就役し、全艦が北方艦隊へ配備されました。

[アドミラルティ造船所(レニングラード)建造艦]
K-64
1968年6月2日起工/1969年4月22日進水/1971年12月31日竣工
1972年2月予備役編入/1974年4月19日に戦闘編制から除外/1978年2月9日に海軍から除籍
1978年以降に船体を切断、解体
K-316(1992年6月3日からB-316)
1969年4月26日起工/1974年7月25日進水/1978年9月30日納入/1978年12月30日就役
1990年4月19日に海軍から除籍/1995-1996年に解体
K-373(1992年6月3日からB-373)
1972年6月26日起工/1978年4月19日進水/1979年12月29日納入/1980年1月18日就役
1990年4月19日に海軍から除籍/2008-2009年に解体
K-463(1992年6月3日からB-463)
1975年6月26日起工/1981年3月31日進水/1981年12月30日就役
1990年4月19日に海軍から除籍/1994-2002年に解体
[セヴマシュ(セヴェロドヴィンスク)建造艦]
K-123(1992年6月3日からB-123):プロジェクト705K
1967年12月29日起工/1976年4月4日進水/1977年12月12日納入/1978年2月17日就役
1983年12月21日からセヴェロドヴィンスクで修理/1992年7月21日再就役
1996年7月31日に戦闘編制から除外
2007-2008年に解体
K-432(1992年6月3日からB-432):プロジェクト705K
1968年11月12日起工/1977年11月3日進水/1978年12月31日納入/1979年1月10日就役
1990年4月19日に戦闘編制から除外/1996年4月19日に海軍から除籍
1996-2002年に解体
K-493(1992年6月3日からB-493):プロジェクト705K
1972年2月21日起工/1980年9月21日進水/1981年9月30日納入/1981年10月1日就役
1990年4月19日に戦闘編制から除外/1996年4月19日に海軍から除籍
1996-2002年に解体
記事中でも触れられているように、液体金属冷却原子炉、自動化システムによる省力化などといった新機軸を惜しげなく使った高性能原潜でしたが、それが災いして稼働率は低く、K-64は1972年に(書類上は1978年)、K-123以外の5隻は1990年に退役し、残るK-123(1992年からB-123)も1996年に退役しました。


そして今回、「ロシア防衛産業の情報提供者」は、プロジェクト705/705K原潜のコンセプトの一部(自動化システムによる省力化)を受け継いだ原潜の建造が検討されていると述べました。
現在、ロシア海軍の為の第5世代多用途原子力潜水艦の開発が進められています。
[ロシア海軍の為の第5世代多用途原子力潜水艦はモジュール方式となる]
自動化システムの採用により第5世代多用途原潜の乗員数を減らそうという事でしょうか。
- 関連記事
スポンサーサイト