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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された

2016年3月11日、プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」はロシア連邦海軍へ正式に就役しました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年3月11日13時46分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は黒海艦隊へ加入した】
カリーニングラード、3月11日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト11356警備艦のトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」へのロシア海軍旗掲揚式典は、このフリゲートを建造したカリーニングラード沿バルト造船工場「ヤンターリ」で金曜日に開催された。

「これは、最近に我々が受領した初めての2等艦です。
それは黒海艦隊の第30師団へ加わりました。
最新の艦は、ソヴィエト時代に建造されたものとは比べ物になりませんし、黒海艦隊の任務遂行の効率を大幅に向上させます」
ロシア連邦黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ大将
は話した。

聖アンドレイ旗の掲揚に先立ち、同艦は工場航行試験を成功裏に実施し、バルト艦隊及び北方艦隊の海洋射爆場で国家受領試験を実施した。
バルト艦隊広報サービスは、艦の乗組員は工場製造者の代表と共に、バルト海及びバレンツ海で艦の機動性及び速力、全ての集合体、システム及びユニット、航海設備及び無線機器、更には艦の兵装の点検作業を実施したと伝えた。

乗組員は、複合体「カリブル-NK」及び「シチーリ」からのミサイル射撃、A-190砲及びAK-630砲ロケット爆雷装置RBU-6000、更には魚雷兵装の射撃を実行した。
バルト艦隊海軍航空隊ヘリコプターKa-27飛行士と協同で対潜任務及び捜索救助任務へ取り組み、警備艦の甲板へ艦載ヘリコプターの50回以上の着艦が行なわれた。

[作業は進行する]
合資会社「北方計画設計局」が開発したプロジェクト11356警備艦のトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2010年12月に起工され、2014年3月に進水した。
ロシア連邦国防省と署名した2つの契約により、工場は警備艦シリーズ6隻を建造する。

「私共は、国家防衛発注の下で作業を行なっております。
更に、2隻の揚陸艦の建造が進められています。
そして更に、私共は警備艦シリーズの建造を継続します。国家発注の為、あるいはインド側の為に。
今年末までに、更なる2隻のフリゲート-アドミラル・エッセンとアドミラル・マカロフの引き渡しを計画しています」
『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフ
は話した。

プロジェクト11356警備艦は、単独或いは連合部隊の一員としての水上艦及び潜水艦に対する戦闘行動、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
艦は、汎用ミサイル砲兵装と、対潜及び対空防衛の為の現代的な電波技術装置を有している。
このシリーズの艦の排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノット、乗員180名である。

プロジェクト11356の1番艦である「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、高精度有翼ミサイル3M-54TEを有する艦載ミサイル複合体「カリブル-NK」多チャンネル高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を装備する。

[永遠の記憶]
いわゆる「アドミラル・シリーズ」のトップ艦は、ロシア帝国の最後の海軍大臣で1878年のトルコ戦争へ参加したイワン・コンスタンチノヴィチ・グリゴロヴィチの名前を受け取った。
1905年には黒海艦隊参謀長を務め、その後、皇帝アレクサンドルIII世港及びクロンシュタット港司令官となった。
海軍旗掲揚日は、提督の子孫にとっては人生で最も重要なものの1つとなった。

「私達は、この艦を待ち望んでおりました。
2005年、私達は、私の祖父グリゴロヴィチ提督の名前を付けた艦の建造を約束されました。
そして今、それは有ります-海軍指揮官の偉大さ、栄光、そして記憶は永遠に受け継がれるでしょう。
そして、その名誉も」

伝統に従い、艦の「名付け親」に任ぜられたグリゴロヴィチ提督の孫娘オーリガ・ペトロヴァは、こう話した。

[良好な将来]
シリーズの1番艦の建造は、偉大なる海軍指揮官の記憶を永続させるのみならず、カリーニングラード企業の4000名以上の専門技術者及び労働者の安定した仕事を確保する。

「発注は現在、ロシア連邦政府の代表、軍の発注の担当者との対話の中で形成され、我々の工場への発注の更なる割り当ては確実に定められています。
我々は、軍用艦のみならず、民間船も建造できますし、フェリーの建造について御話ししますと、現在、パラメータを照合しています」
州知事ニコライ・ツカロフ
は話した。

沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、ケーニヒスベルク造船会社「F.シハウ」をベースとして1945年7月8日に設立された。
小型-中型の軍用及び民間用の船舶の建造と艦船修理を専門としている。
70年間で工場は160隻の軍用艦と500隻以上の民間船を建造した。
支配者持ち分株式は、国営の合資会社『統合造船業営団』に属している。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]

その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】

12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】

そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]

消磁作業は3月下旬に完了し、4月8日に「ヤンターリ」造船所の在るカリーニングラードからバルチースク海軍基地へ移動しました。

4月下旬に1回目の洋上試験が実施され、4月29日に完了しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年5月初頭から2回目の洋上試験を開始する]

そして5月5日に2回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を開始した]

2回目の試験は5月7日には終わり、バルチースク基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を終えた]

5月16日から3回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は5月16日から洋上試験を再開する]

この3回目の洋上試験中、初めて「アドミラル・グリゴロヴィチ」の砲兵装~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、AK-630M 30mmガトリング砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった]

5月28日、4回目の洋上試験へ出発しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは洋上試験を続ける]

7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

8月27日、高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が初めて実行されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で対空ミサイルを発射した]

10月初頭に工場航行試験は完了しました。

10月14日から国家受領試験が開始され、10月16日にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチの国家受領試験が始まる]
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは国家受領試験の為にバルト海へ出航した]

10月27日、バルト海A-190「ウニヴェルサール」100mm砲、AK-630 30mm機関砲、RBU-6000対水中ロケット爆雷の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で砲撃を行なった]

10月29日、バルト海高射ミサイル複合体「シチーリ-1」を発射しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバルト海で艦対空ミサイルを発射した]


しかし、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の主要打撃兵装である有翼ミサイル「カリブル」(の対地攻撃型)の発射試験はバルト海では実施できない為、ロシア北方艦隊の担当海域(バレンツ海方面)へ回航して発射試験を行なう事になりました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはバレンツ海方面で巡航ミサイル"カリブル"の発射試験を行なう]

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「アドミラル・グリゴロヴィチ」バルチースクを出てクロンシュタットへ寄った後、12月13日頃に出航し、12月21日に北方艦隊基地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは北方艦隊基地へ到着した]

12月30日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」バレンツ海有翼ミサイル「カリブル」の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後、バルチースクへ戻り、2016年2月11日には「ヤンターリ」造船所へ移動しました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは2016年3月上旬にロシア海軍へ就役する]

建造元の「ヤンターリ」は、「アドミラル・グリゴロヴィチ」が2015年3月10日にロシア海軍へ納入され、翌3月11日に海軍旗初掲揚式典を開催、海軍へ正式に就役する事を明らかにしました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは2016年3月10日にロシア海軍へ納入され、3月11日に就役する]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、就役前の最後の点検航海を行ない、3月3日夜にはカリーニングラードへ戻りました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ引き渡す前の最後の点検航海を終えた]

2016年3月10日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ納入された]

そして翌3月11日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊第30水上艦師団へ編入されました。



ロシア海軍の艦の就役は
1:受領-引渡証書への署名(造船所から海軍への艦の納入)
2:海軍旗の初掲揚式典・各艦隊部隊への編入(艦の正式な海軍への就役)

の2段階で行なわれますが、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の場合、1は2016年3月10日に、2は2016年3月11日に実施されました。


警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、ソ連邦解体後に計画・建造され、就役した初の「大洋ゾーン艦」になります。
[ロシア海軍の「大洋ゾーン艦」]


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の3隻が進水し、1番艦が就役しています。
[ロシア海軍の新鋭フリゲート・プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)近影]
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年4月就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定


4番艦以降の建造工事は2015年春から凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、公式にはキャンセルはされていませんが(以前、一部でキャンセルされたと報じられ、造船所から否定された)、具体的な起工時期は明らかにされていません。
[ロシア海軍向けプロジェクト11356フリゲート6番艦はキャンセルされていない]

ロシア海軍プロジェクト11356Rの調達を黒海艦隊向けの6隻で終了する意向を示しており、それ以上の追加建造は計画されていません。
[ロシア海軍向けのプロジェクト11356R警備艦(アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート)の建造は6隻で終了する]
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