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ロシア海軍向けプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻はインドへ売却されるかもしれない

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『タス通信』より
2016年3月11日11時40分配信
【ロシアはインドへのプロジェクト11356フリゲートの売却交渉を行なっている】
カリーニングラード、3月11日/タス通信

ロシアは、黒海艦隊の為に意図されたプロジェクト11356フリゲート第2グループ3隻のインドへの売却交渉を行なっている。
タス通信合資会社『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。
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「私共は、これらの艦の建造に関し、依然として国家防衛発注による作業を行なっております。
それと同時に、インド側へこれらの艦を売却する機会についてインド側との交渉も行っています」

彼は、フリゲートシリーズのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」への聖アンドレイ旗掲揚式典の後に話した。

フリゲートの売却が決定されたのか否かについてのタス通信の質問に答え、ポノマリョフは強調した。
「(それは)決まっていません」
「私共は交渉を行なっておりますが、作業は国家契約下で行なわれています。
ですが、交渉は進められています」

対談者は話した。

彼によると、これらの艦のエンジン「完全にウクライナ側の負担であり、それはウクライナに在ります。
この問題は、このエンジンにより解決されるでしょう」


以前、黒海艦隊の為に計6隻のプロジェクト11356フリゲートの建造が計画されていた。
1隻目は既にロシア海軍へ加わっており、更なる2隻は5月と8月に軍へ引き渡されると金曜日にポノマリョフは発表した。
これらの艦には、ウクライナで製造された動力装置が装備されているが、第2グループ3隻のフリゲートの建造には問題が示されている。
昨年、『統合造船業営団』は、これらの艦は国産エンジンにより建造が進められると表明した。

インドは既に6隻の「タルワー」型フリゲート-プロジェクト11356の前型-を保有している。
インドの艦は、2003-2004年と、2012-2013年に就役した。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]


2番艦「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に起工、2014年11月7日に進水、2015年11月5日から2016年1月半ば頃まで工場航行試験を実施しました。
2016年2月初頭からは国家受領試験が行われています。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]
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3番艦「アドミラル・マカロフ」は2012年2月29日に起工、2015年9月2日に進水した後、造船所の岸壁で最終艤装が行なわれています。
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「アドミラル・エッセン」は2016年4月、「アドミラル・マカロフ」は同年8月にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍は2016年4月と8月にプロジェクト11356Rフリゲートを受領する]


4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日に、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。

「アドミラル・ブタコフ」は2016年3月2日に造船台から出され、現在は岸壁に係留されています。
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この2隻は、ウクライナからのエンジンの供給問題により2015年春から建造工事が凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、公式にはキャンセルはされていませんが(以前、一部でキャンセルされたと報じられ、造船所から否定された)、具体的な起工時期は明らかにされていません。
既に船体のパーツの製造は始まっているようですが。
[ロシア海軍向けプロジェクト11356フリゲート6番艦はキャンセルされていない]


そして今回、統合造船業営団』副総裁イーゴリ・ポノマリョフ氏は、ロシア海軍向けプロジェクト11356Rの後期建造艦3隻のインドへの売却交渉が行なわれている事を公式に認めました。

ただし、交渉は妥結しておらず、インドへの売却が決まったわけでは無いので、現在はロシア海軍への就役を前提にして工事が進められています。


記事文末で触れられているように、インド海軍は既に計6隻の「タルワー」級フリゲートを受領しています。

[プロジェクト11356「タルワー」級フリゲート]
・「バルト工場」(サンクトペテルブルク)建造艦
「タルワー」(F40):1999年3月10日起工/2000年5月12日進水/2003年6月18日就役
「トリシュル」(F43):1999年9月24日起工/2000年11月24日進水/2003年6月25日就役
「ターバル」(F44):2000年5月24日起工/2001年5月25日進水/2004年4月19日就役

・「ヤンターリ」造船工場(カリーニングラード)建造艦
「テグ」(F45):2007年7月28日起工/2009年11月27日進水/2012年4月27日就役
「タルカシュ」(F46):2007年11月27日起工/2010年6月23日進水/2012年9月11日就役
「トリカンド」(F51):2008年6月12日起工/2011年5月25日進水/2013年6月29日就役


6隻を引き渡した後、更なる3隻のフリゲートインドへの売り込みも行われていましたが、最近では、ロシア向け11356Rの後期建造艦3隻をインドへ売却するという話に変わっていました。
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