fc2ブログ

ロシア海軍は新たなチタン製原潜の建造を計画していないが4隻のシエラI/II級原潜は近代化される

16-0319h.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年3月18日12時48分配信
【(ロシア)海軍はチタン製潜水艦の建造は計画していないと表明した】
サンクトペテルブルク、3月18日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアでのチタン製潜水艦の建造再開は高価であるが故に計画されていないが、プロジェクト945潜水艦は4隻全てが近代化される。
ロシア通信社ノーボスチは金曜日に(ロシア)海軍の高位の代理人より伝えられた。

現在、海軍の戦闘編制には4隻のプロジェクト945及びプロジェクト945A潜水艦が在り、修理と近代化を必要としている。

「近い将来のチタン製潜水艦の建造は、それが高価であるが故に考慮されていませんが、全ての既存艦は復活します」
対談者は話した。

彼は、近代化は先ず第一に動力装置に関わる事を強調した。
「チタン製潜水艦プロジェクト945及び945Aの近代化の決定は、船体の超耐久性、そして事実上永遠である事に関連します。
この潜水艦は低騒音であり、必要なのは新たな兵装の設置のみです」

対談者は話した。

彼は、プロジェクト945原子力潜水艦「クラブ」が1992年2月にロシア領海アメリカ「ロサンゼルス」型潜水艦「バトン・ルージュ」と衝突した事実を想い起した。
16-0319e.jpg
16-0319f.jpg
「結氷を打ち破る事を考慮に入れていたクラブは司令塔が少し損傷しましたが、バトン・ルージュは衝突後に火災が発生し、数時間後に消し止められました」
彼は話した。

潜水艦プロジェクト945及び945Aの最大潜航深度は600メートル程度になる。

ロシアは3月19日に海軍潜水艦部隊創設110周年を迎える。


チタン製の船体を持つプロジェクト945/945A原子力潜水艦は、ロシア内陸部ニジニ・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)に在る「クラースノエ・ソルモーヴォ」造船所で建造され、1980年代前半から1990年代前半に掛けて4隻がソ連/ロシア海軍へ就役しました。

当初は「巡洋潜水艦」КрПЛ(KrPL)に分類されていましたが、1992年7月3日付で「原子力大型潜水艦」АБПЛ(ABPL)に類別変更され、就役時のKナンバーからBナンバーに変更されました。

[プロジェクト945「バラクーダ」(NATOコード名「シエラI」)]
・K-239:工場番号301(1992年7月3日にB-239へ改名、1993年4月6日に「カルプ」と命名)
1979年7月20日起工/1983年7月29日進水/1984年9月29日納入/1984年12月7日就役

・K-276:工場番号302(1992年7月3日にB-276へ改名、1993年4月6日に「クラブ」と命名、1996年11月15日に「コストロマ」と改名)
1984年4月21日起工/1986年7月26日進水/1987年10月27日納入/1987年11月4日就役



[プロジェクト945A「コンドル」(NATOコード名「シエラII」)]
・K-534:工場番号3003(1992年7月3日にB-534へ改名、1993年4月6日に「ズバトカ」と命名、1995年3月23日に「ニジニ・ノヴゴロド」と改名)
1986年2月15日起工/1989年8月7日進水/1990年12月26日納入/1990年12月27日就役

・K-336:工場番号3004(1992年7月3日にB-336へ改名、1993年4月6日に「オクーン」と命名、1996年4月3日に「プスコフ」と改名)
1989年7月29日起工/1992年7月28日進水/1993年12月14日納入/1993年12月17日就役



プロジェクト945/945Aの近代化改装の話は、2013年3月に出てきました。
[ロシア海軍はシエラ級原潜を復帰させる]
[近代化改装後のシエラ級原潜は第4世代原潜に匹敵する]

その後、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、プロジェクト945原潜の近代化計画が有る事を認めました。
[ロシア海軍は2020年までに12隻の原子力潜水艦を近代化する]
[ロシア海軍は2020年までに10隻以上の近代化された原子力潜水艦を受け取る]

事実上退役していたプロジェクト945「カルプ」は、2014年5月から近代化改装が始まりましたが、現在、工事は中断しているようです。
[シエラI級原潜カルプの近代化改装を中止する決定は下されていない]
16-0319d.jpg

プロジェクト945「コストロマ」は、記事中で触れられているように1992年2月11日にバレンツ海アメリカ原潜「バトン・ルージュ」と衝突し、1992年3月28日から1993年6月29日まで修理が行なわれました。
現在もロシア海軍に在籍しています。
16-0319g.jpg


プロジェクト945A「プスコフ」は、数年間に渡るオーバーホールを終えて2015年12月28日に復帰しました。
[原子力大型潜水艦プスコフはロシア海軍北方艦隊へ復帰した]
16-0319b.jpg

同じ945A「ニジニ・ノヴゴロド」も稼働状態に在り、最近では、2015年12月30日に長期航海から帰港しています。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦ニジニ・ノヴゴロドは長期航海を終えて基地へ戻った]
16-0319c.jpg


そして今回、「ロシア海軍の高位の代理人」(将官?)は、改めてプロジェクト945/945Aは4隻全てが近代化改装されると述べました。

少なくとも、プロジェクト945/945Aの大規模な近代化改装は、未だ断念されていない事は確かなようです。
13-0628a.jpg
関連記事
スポンサーサイト