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ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう

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『タス通信』より
2016年3月21日12時8分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」は兵装システムの試験の為にバルト海から北方へ移動する】
カリーニングラード、3月21日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ

3月23日、フリゲート「アドミラル・エッセン」は、国家受領試験の第2段階をバレンツ海で実施する為、北方艦隊へと向かう。
タス通信は、ロシア連邦国防省の発注の下で同艦を建造した沿バルト造船工場「ヤンターリ」の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「3月23日、フリゲート"アドミラル・エッセン"は、バルト海から北方への初めての艦隊間移動を開始します。
これは、北方艦隊海洋射爆場において一連の艦の兵装及び機器装置の試験を実施する為です」
ミハイロフ
は話した。
彼は、フリゲートバルチースクからクロンシュタットへ到着したと付け加えた。

「アドミラル・エッセン」艦上には、この艦の為に意図された黒海艦隊船員から成る乗組員、工場の納入チーム及び国家受領委員会のメンバーが居る。

「アドミラル・エッセンがカリーニングラード工場ヤンターリへ戻るのは4月後半に予定されています。
工場の港湾で艦の検査が行なわれ、その後、御客様へ御引き渡しいたします」
ミハイロフ
は指摘した。

2016年1月30日から始まった試験プログラムの枠組みにおいて、フリゲートは、全ての集合体、システム、ユニット、航海及び無線電波装置の点検を実施し、砲射撃を行ない、バルト艦隊海軍航空隊との連携に取り組んだ。

フリゲート「アドミラル・エッセン」は、黒海艦隊の為のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル」シリーズの2隻目であり、沿バルト造船工場「ヤンターリ」で2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水した。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタットへ移動しました。
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3月23日にはバレンツ海方面(おそらくは北方艦隊基地セヴェロモルスク)へ向けて出航します。
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バレンツ海へ向かう前にクロンシュタットへ寄港したのは、おそらくは有翼ミサイル「カリブル」を補充する為でしょう。


「アドミラル・エッセン」バレンツ海国家受領試験の第2段階を実施し、今回の記事では触れられていませんが、先に就役した1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」と同様に有翼ミサイル「カリブル」の発射試験などが行なわれます。

バレンツ海での試験を終えた後、カリーニングラードへ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれます。


プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の3隻が進水し、1番艦が就役しています。
[ロシア海軍の新鋭フリゲート・プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)近影]
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。

[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入

「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年4月就役予定

「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定

「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定

「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定


4番艦以降の建造工事は2015年春から凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]

プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、公式にはキャンセルはされていませんが(以前、一部でキャンセルされたと報じられ、造船所から否定された)、具体的な起工時期は明らかにされていません。
[ロシア海軍向けプロジェクト11356フリゲート6番艦はキャンセルされていない]

ロシア海軍プロジェクト11356Rの調達を黒海艦隊向けの6隻で終了する意向を示しており、それ以上の追加建造は計画されていません。
[ロシア海軍向けのプロジェクト11356R警備艦(アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート)の建造は6隻で終了する]
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