モスクワ郊外の愛国者公園にロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクのセイルが展示される

『タス通信』より
2016年3月22日12時9分配信
【『愛国者』公園には世界最大の潜水艦の1隻の模型や司令塔(セイル)が展示される】
アルハンゲリスク、3月22日/タス通信特派員ウラジーミル・アヌフリエフ
世界最大の潜水艦シリーズ「アクラ」級のプロジェクト941原子力潜水艦「アルハンゲリスク」の模型や司令塔がモスクワ郊外の『愛国者』公園に展示される。
火曜日、タス通信特派員は、原子力艦の処分を準備しているセヴェロドヴィンスク防衛造船所・艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」公式代理人より伝えられた。
「アクラ級原子力潜水艦の博物館のアイデアは、2014年に事前に研究され、海洋工学中央設計局ルビーン(サンクトペテルブルク)は、草案設計の開発を指示されました。
それは準備されていたのですが、2015年にはコンセプトが変更されました。
国防省、海軍アカデミー、ルビーンの合同会議の結果、愛国者公園には、2分の1或いは4分の1スケールの艦の模型の作成と、軽船体(外部船体)の隣接部分の司令塔の設置が提議されました」
彼は話し、モスクワ郊外の公園へ「アクラ」級原子力潜水艦を全て設置する為の協議は行なわれていないと説明した。
「ズヴェズドーチカ」によれば、現在、同社は、艦のミサイル兵装の使用を不可能にする為、潜水艦「アルハンゲリスク」のミサイル発射管のカバーを取り外し、これらの上にキャップを取り付ける為の契約を「ロスアトム」と締結している。
「作業は、戦略攻撃兵器の削減および制限に関するロシア連邦とアメリカ合衆国の間の合意(戦略兵器削減条約)に沿って今年中に実施されます」
工場の代理人は説明した。
更に彼は、原子力潜水艦の船体を解体する為の契約には未だ署名されていない事を指摘した。
重戦略用途ロケット水中巡洋艦TK-17「アルハンゲリスク」(工場番号725)は、海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)により開発されたプロジェクト941「アクラ」(NATO分類「タイフーン」)の下で1987年にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で竣工した事が知られている。
2006年には、弾薬(弾道ミサイル)の不在が故に潜水艦は予備役へ編入された。
1977年から1989年に「セヴマシュ」は、2つの強度船体を持つ「カタマラン」型で全長175m、幅22.8m、水中排水量49000トン、水中速力27ノット(時速50km)、乗員179名、兵装は弾道ミサイル20基のこのような潜水艦を6隻建造した。
これまでに世界で建造された如何なる潜水艦よりも巨大な原子力潜水艦シリーズの内の3隻は、セヴェロドヴィンスクの造船所-「セヴマシュ」及び「ズヴェズドーチカ」で解体された。
その解体は、ロシア、アメリカ合衆国、カナダが共同で出資し、2つの国家間プログラム:2002年に「G8」国サミットで採択された「グローバル・パートナーシップ」と、ロシア-アメリカのプログラム「共同での脅威削減」の枠組みで行なわれた。
3隻の「タイフーン」が海上に留まっている:「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は解体が決定され、もう1隻の「ドミトリー・ドンスコイ」は、「セヴマシュ」で高度な近代化が実施され、最新海洋配置ミサイル複合体「ブラヴァー」を試験の為に装備した。
プロジェクト941重戦略用途ロケット水中巡洋艦TK-17は1983年8月9日にセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」造船所で起工され、1986年12月12日に進水し、1987年12月15日に納入、1988年2月19日に北方艦隊第18潜水艦師団へ編入されました。
1992年7月3日には重原子力戦略用途水中巡洋艦に類別変更されました。
2002年1月から11月までセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」で修理が行なわれ、同年11月18日に「アルハンゲリスク」と命名されました。
941戦略原潜が搭載する弾道ミサイルR-39はソ連邦解体後には生産が途絶え、残るミサイルも2004年までに全て耐用年数が切れ、後継ミサイルの開発も打ち切られた為、2004年4月29日付で予備役となりました。
[幻と消えたSLBM「バルク」]
941戦略原潜は2000年までに3隻が除籍、解体されましたが、残る3隻はロシア海軍に留まっていました。
[ロシア会計検査院議長は、タイフーン型原潜を現役に留める為、率先して支援を行なった]
2009年7月19日にセヴェロドヴィンスクへ到着し、以後、同地に係留されています。
[タイフーン型原潜「アルハンゲリスク」はセヴェロドヴィンスクに回航された]

2013年5月、予備役の「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は解体が決定されました。
[タイフーン級戦略原潜セヴェルスターリとアルハンゲリスクは除籍、解体される]
2016年には「アルハンゲリスク」解体の第1段階として20基の弾道ミサイル発射筒を使用不能にする為の工事が行なわれる事になりました。
ただし、艦そのものの解体は今年には実施されません。
[ロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクは2016年に弾道ミサイル発射筒が使用不能にされる]
[ロシア海軍の戦略原潜タイフーン級は2隻が解体され、1隻は現役に留まる]
今後解体される「アルハンゲリスク」ですが、その船体を、昨年に開園したモスクワ郊外の「愛国者公園」へ展示するという話が出てきました。
[ロシア海軍のタイフーン級戦略原潜アルハンゲリスクの船体はモスクワ郊外の愛国者公園で展示される]
『CNN』(日本語版)より
2015年6月18日17時19分配信
【ロシアに「ディズニーランド」軍事版登場 兵器を多数展示】
【『愛国者』公園公式サイト】
この件に関し、「アルハンゲリスク」の解体を実行するセヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」は、「愛国者公園」に展示されるのは、「アルハンゲリスク」の司令塔(セイル)と、「2分の1」或いは「4分の1」スケールの模型となる事を明らかにしました。

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