ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった

『タス通信』より
2016年3月23日11時21分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」は試験の為にバレンツ海へ向かった】
モスクワ、3月23日/タス通信
プロジェクト11356警備艦「アドミラル・エッセン」は、バルト艦隊のレニングラード海軍基地を去り、国家受領試験の枠組においてバレンツ海へ出発した。
西方軍管区広報サービスは発表した。
「約2000海里に渡る移動の後、警備艦の乗組員は北方艦隊海洋射爆場で機器及び兵装システムの国家受領試験を継続します」
広報サービスは話した。
軍管区が指摘したように、クロンシュタットで艦は北方緯度への航行を準備し、燃料、水、食料を補充した。
乗組員は、困難な水文気象状況及び嵐という条件下での行動を含む一連の訓練を実施した。
移動中に工場納入チームの代表は艦の乗組員及び国家受領委員会のメンバーと共に、機動性及び速力試験を継続し、警備艦の全ての集合体、システム、ユニット、航海及び無線電波装置を点検する。
加えて、乗組員は、、ダメージコントロール、通信、対空防衛、その他の様々な種類の訓練を行なう十数回の艦内演習へ取り組む。
北方艦隊で指示された任務を遂行した「アドミラル・エッセン」は、カリーニングラードの「ヤンターリ」工場へ戻り、ロシア海軍の戦闘編制への移行の準備を始める。
国家受領試験完了後、「アドミラル・エッセン」に海軍旗が掲揚され、この艦は、黒海艦隊へ編入される同シリーズの2隻目となる。
「アドミラル・エッセン」は2011年7月8日に「ヤンターリ」工場で起工され、2014年11月7日に進水した。
それは、今年5月に海軍への補充が計画されている。
以前、2016年に黒海艦隊は計3隻のプロジェクト11356フリゲートを受領しなければならないと報じられた。
3番艦「アドミラル・マカロフ」は夏に海軍への引き渡しが計画されている。
同プロジェクトフリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月11日に海軍へ就役した。
[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]
プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。
それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]
2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」に高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]
2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】
出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]
11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]
工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]
2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]
その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。
3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]
そして3月23日、クロンシュタットを抜錨し、バレンツ海方面(おそらくは北方艦隊基地セヴェロモルスク)へ向けて出航しました。

バレンツ海へ向かう前にクロンシュタットへ寄港したのは、おそらくは有翼ミサイル「カリブル」を補充する為でしょう。
今回の当局公式発表においては、燃料、水、食料を補充したと述べられていますが、そのようなものは、わざわざクロンシュタットまで行かなくても、バルチースクで補充できます。
「アドミラル・エッセン」はバレンツ海で国家受領試験の第2段階を実施し、今回の記事では触れられていませんが、先に就役した1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」と同様に有翼ミサイル「カリブル」の発射試験などが行なわれます。
バレンツ海での試験を終えた後、カリーニングラードへ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれます。
プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の3隻が進水し、1番艦が就役しています。
[ロシア海軍の新鋭フリゲート・プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)近影]
6隻の建造が計画されており、全て黒海艦隊へ配備されます。
[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造

「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入
「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月就役予定
「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年8月就役予定
「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定
「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定
4番艦以降の建造工事は2015年春から凍結されていましたが、同年8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]
プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]
6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、公式にはキャンセルはされていませんが(以前、一部でキャンセルされたと報じられ、造船所から否定された)、具体的な起工時期は明らかにされていません。
[ロシア海軍向けプロジェクト11356フリゲート6番艦はキャンセルされていない]
ロシア海軍はプロジェクト11356Rの調達を黒海艦隊向けの6隻で終了する意向を示しており、それ以上の追加建造は計画されていません。
[ロシア海軍向けのプロジェクト11356R警備艦(アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート)の建造は6隻で終了する]
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