ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する
- カテゴリ:ロシア海軍沿岸部隊(海軍歩兵)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年3月25日11時31分配信
【(ロシア)軍はクリル諸島に最新ミサイル複合体と無人機を配置する】
モスクワ、3月25日-ロシア通信社ノーボスチ
再軍備計画により、沿岸ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」、更には新世代無人機が2016年にクリル諸島へ配置される。
金曜日、ロシア国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は表明した。
「クリル諸島の連合部隊及び軍部の再軍備計画は実行されています。
今年には、沿岸ミサイル複合体"バル"と"バスチオン"、新世代無人機エレロン-3が配置されます」
ショイグは国防省会議において話した。
近年、国防省はクリル諸島において軍の建設を積極的に進めている。
1月にショイグが表明したように、ロシア連邦軍は今年にクリル諸島、更には北極圏の島々における軍事インフラストラクチュアの形成を完了する。
クリル諸島は、ロシアと日本の間の長年の領土紛争の対象となっている。
東京は、1855年の2ヶ国間の貿易及び境界線に関する国際条約を引用し、クリル列島のイトゥルプ、クナシル、シコタン、そしてハボマイ群島を要求している。
東京は、島の返還が、未だ署名されていない第2次世界大戦終了に伴うロシア連邦との平和条約締結の条件であると主張している。
モスクワの見解は、南クリルは戦争終結までにソヴィエト社会主義共和国連邦の一部として加わったものであり、ロシアの主権は国際法的根拠を有しており、その所管には疑念の余地は無い。
現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)のシムシル島とイトゥルプ島には、ロシア太平洋艦隊の沿岸ミサイル(地対艦ミサイル)部隊(第520独立沿岸ロケット砲旅団)が配備されていますが、その地対艦ミサイルは旧式化した「リドゥート」(1960年代に配備)です。
[ロシア太平洋艦隊の地対艦ミサイル部隊]
そこで、これらの旧式化した地対艦ミサイルを更新する為、クリル諸島にも新型の沿岸ミサイル「バスチオン」及び「バル」の配備が計画されました。
[クリル諸島への新型地対艦ミサイル配備は2014年までに完了する]
沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。
これまでに黒海艦隊と北方艦隊へ配備されています。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]
沿岸ミサイル複合体(地対艦ミサイル)「バル」は、艦対艦ミサイル「ウラン」/空対艦ミサイルKh-35の地上発射ヴァージョンです。
これまでに黒海艦隊とカスピ小艦隊へ配備されています。
しかしその後、クリル諸島への「バスチオン」と「バル」の配備は棚上げされました。
[地対艦ミサイル「バスチオン」はクリル諸島へ配備されない]
2014年末には沿海地方のスモリャニノヴォに駐留する太平洋艦隊の第72沿岸ロケット旅団へ沿岸ミサイル複合体「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で新型地対艦ミサイルの発射訓練を行なった]
2016年3月初頭には、第72沿岸ロケット旅団へ「バスチオン」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"が配備された]
そして今回、ロシア連邦国防省セルゲイ・ショイグ上級大将は、2016年末までにクリル諸島へ「バスチオン」及び「バル」が配備される事を明らかにしました。
クリル諸島の沿岸ミサイル部隊は、当初予定よりも2年以上遅れて新型ミサイルを受領できる事になるようです。
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