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クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年3月24日15時17分配信
【ロシアのガスタービンエンジンはクロンシュタットでメンテナンスされる】

クロンシュタット海洋工場は、ロシア海軍の艦に設置されているガスタービンエンジンと、更には次世代ガスタービンエンジンの修理の発注を受けると表明した。

「2024年までの期間における海軍の為のガスタービンエンジン修理プログラムは承認されました。
海洋工場は、エンジンDE59、DT59、DK59、DO63、更には次世代のガスタービンエンジンの修理を保証いたします」
『海軍産業』(フロートプロム)
編集者が受け取った同社の声明においては、こう述べられている。

工場は更に、2015年6月からクロンシュタット(サンクトペテルブルク)で修理されたエンジンDT-59太平洋造船所『ダーリザヴォード』へ引き渡す準備が整った事を報告した。
2016年1月~2月に、それは試験台における試験が実施された。
同社には、国家防衛発注の枠組みにおいて合計9基のガスタービンエンジンが在る。

以前、「クロンシュタット海洋工場」総取締役アナトーリー・ベロエフは、同社が第2世代及び第3世代のガスタービンエンジンを修理していると述べた。
ウクライナ「ゾーリャ-マシプロイェクト」が製造し、プロジェクト11356フリゲートに設置されたガスタービンエンジンの修理は、クロンシュタットにおいては、これらの書類が不足しているが故に実行されなかった。

ガスタービン専門作業所は1967年にクロンシュタット艦船修理工場に作成された。
これまでに、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びロシア海軍の為に、350以上の様々な派生型のエンジン及び装置が修理された。
工場の別の作業の方向性は、ガス汲み上げステーションのニーズの為の変換された船舶用エンジンの修理である。

ロシア艦ガスタービンエンジンは、伝統的にウクライナニコラエフからの専門家の支援により修理されていた。
しかし、2014年のクリミア半島の所有国の変更という出来事の後、ウクライナは新たなガスタービンエンジンの供給と古いエンジンの修理を停止した。
クロンシュタット工場に加え、ロシアの複数の営利会社がタービンの修理に従事している。


【『クロンシュタット海洋工場』公式サイト】

[ガスタービンエンジン代替問題]

ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ-マシプロイェクト」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ-マシプロイェクト」で行なわれていました。
しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービンエンジンに関する「分業体制」も瓦解しました。

この為、ガスタービンエンジンの生産は全てロシア国内で行なう事になり、現在、その為の体制を再構築中であり、今後は「ゾーリャ-マシプロイェクト」に代わって科学生産合同「サトゥルン」ガスタービンエンジンの最終組立を行なう事になります。
[ロシアは2018年から艦艇用ガスタービンを量産する]

一方、ロシア海軍現用艦ガスタービンエンジンの修理も、これまではウクライナ(「ゾーリャ・マシプロイェクト」社)に依存していましたが、当然ながら、こちらの方も御破算となりました。
この為、ガスタービンの修理もロシア国内で行なう事になりました。

当初は、ロシア国内の複数の航空機工場ガスタービンを送っていたのですが、これで何かと不便なので、1960年代末から民間用ガスタービンエンジンの修理を行なっていたクロンシュタット海洋工場が、ロシア海軍現用艦艇ガスタービンエンジンの修理やメンテナンスなども一手に引き受ける事になりました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]

ただし、昨年(2015年)の時点では、ロシア海軍新型フリゲートプロジェクト22350プロジェクト11356Rガスタービンエンジンに関しては未だ取扱いできなかったのですが、その後、これらの新世代ガスタービンの修理も行なえる目途が付いたようです。

プロジェクト11356Rフリゲートの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2016年3月11日にロシア海軍へ就役しています。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
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