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重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
北方艦隊旗艦の重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」紹介ページ。
【重航空巡洋艦プロジェクト1143.5「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」】

北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同クラスの5隻目の艦としてソヴィエト連邦で建造された。
計画時には「ソヴィェツキー・ソユーズ」という名前であり、船体の起工時には「リガ」、進水時には「レオニード・ブレジネフ」、航海試験時には「トビリシ」という名前だった。

巡洋艦は黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水した。
1989年6月9日から係留試験が開始された。
1989年10月21日、同艦は海洋へ出航し、航空機MiG-29KSu-27K及びSu-25UTGの飛行開発試験を実施した。

艦は北方艦隊へ加入し、そして1991年1月20日、乗組員は初めて海軍旗を掲揚した。同年末、巡洋艦はヴィジャエヴォへ移動した。
続く1992~1994年、同艦及び航空隊の様々な兵装及び機器の試験が行なわれた。
巡洋艦は3-4ヶ月に渡り、海洋で訓練に参加した。
1993年、艦載戦闘機Su-33の最初のシリーズ(量産機)が採用された。

ロシア海軍創設300周年の前年の1995年12月23日、多用途艦で構成される巡洋艦グループは、地中海での戦闘勤務の為に出港した。
艦上航空グループは、13機のSu-33、2機のSu-25UTG、そして11機のヘリコプターで構成されていた。
航海中、同艦は、ロシアのヘリコプターのアメリカ空母への着艦を含むアメリカ合衆国海軍艦艇との連携行動を実施した。
更にロシアのパイロットは、アメリカ合衆国航空機により運ばれた。
艦はタルトゥース(シリア)クレタ島及びマルタ島(ヴァレッタ港)への業務寄港を行なった。
航海の最終ステージで、同艦は北方艦隊の指揮幕僚演習に参加した。
1996年3月22日、基地へ戻った。
この航海中に14156海里を航行し、524回の航空機のフライト(400回以上のSu-33の飛行を含む)と996回のヘリコプターのフライトが行なわれた。

[1996年のアドミラル・クズネツォフ(ヴィジャエヴォ)]
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1998年、同艦は北方艦隊の大規模演習に参加した。
1999年、戦闘訓練任務遂行の為に海へ出た。
2000年、原子力水中ロケット巡洋艦「クルスク」救助作戦に参加した。

2004年2月、同艦は、ロシア連邦軍参謀本部総長の指揮の下に海洋で任務を遂行した。
この演習は、ロシア連邦軍の最高司令官であるロシア大統領ウラジーミル.V.プーチンの視察を受けた。

2004年9月22日から10月22日、同艦及び重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、艦隊水雷艇「アドミラル・ウシャーコフ」を含む北方艦隊の9隻の艦及び支援船で構成される艦船航空グループは、北東大西洋航海に参加した。

2007年12月5日、艦船打撃グループは2度目の地中海航海の為に出港し、2008年2月3日に帰港した。

2008年10月、戦略指揮幕僚演習「スタビリノースチ」の海洋フェイズを、ロシア連邦軍最高司令官であるロシア連邦大統領ドミトリー.A.メドベージェフは本艦の艦上から視察した。

2008年12月から2009年2月まで同艦は地中海及び大西洋への遠距離航海任務を遂行し、友好国の港であるタルトゥース(シリア)及びマルマリス(トルコ)を訪問した。

2009年9月、同艦は航空機MiG-29K及びMiG-29KUBの国家試験を成功裏に実施した。
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2010年9-10月、同艦はバレンツ海で戦闘訓練任務を遂行した。
航行期間中、乗組員は12回の飛行当直を行ない、艦上航空隊は222回のフライトを実施、これにより17名の艦上戦闘機飛行士は航空機Su-33Su-25UTGによる発着艦の技量を向上させた。
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2011年12月6日から2012年2月16日まで、同艦の艦船航空グループは、バレンツ海、ノルウェー海、北海、地中海、大西洋における遠距離航海任務を遂行した。
地中海においては、バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」及び黒海艦隊警備艦「ラードヌイ」と艦隊間グループを構成し、連携行動を行なった。
艦は出航以来、15000海里以上を航行した。
遠距離航海中に航空巡洋艦の甲板上で重戦闘機Su-33の150回の着艦が行なわれた。
艦載ヘリコプターの乗員は200回以上の発艦を実施した。この内の約80回は夜間の条件下だった。
この遠距離航海の結果、50名の北方艦隊海軍将兵が国家及び海軍当局から表彰を受けた。


これまでの同艦の艦長は、V.S.ヤルイーギン1等海佐、I.F.サニコ海軍少将、A.V.チェルパノフ海軍少将、A.V.トゥリーリン1等海佐、A.P.シェフチェンコ1等海佐、V.N.ロジオノフ1等海佐が務めた。

現在の重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」艦長は、S.G.アルタモノフ1等海佐が務めている。
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[技術特性]
満載排水量:55000t
全長:302.3m
最大幅:72.3m
吃水:9.14m
動力装置:蒸気タービン
蒸気タービン出力:50000馬力×4基
最大速力:29ノット
航続距離:3850海里(29ノット)、8500海里(18ノット)
乗員:1969名
自立行動期間:45日


[兵装]
対艦ミサイル複合体「グラニート」:発射機12(ミサイル12発)
高射ミサイル複合体「キンジャール」:垂直発射機24(ミサイル192発)
高射ミサイル砲複合体「カシターン」:8基(ミサイル256発及び機銃弾4800発)
30mm高射砲複合体AK-630:6基(弾数24000発)
対水中・対魚雷複合システム「ウダフ-1」:60発


[航空隊]
航空機Su-27(Su-33)×12機
ヘリコプターKa-27×24機

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