ロシア海軍バルト艦隊のキロ級潜水艦ヴィボルグは修理を終えて復帰した
- カテゴリ:プロジェクト877潜水艦(キロ級)

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年3月30日10時24分配信
【潜水艦「ヴィボルグ」は修理から復帰した】
ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴィボルグ」は、『クロンシュタット海洋工場』での2ヶ月間の修理を完了した。
同社広報サービスは発表した。

「ディーゼルエレクトリック潜水艦ヴィボルグは、2016年1月20日から3月25日まで修理実施の為、海洋工場へ滞在していました。
ドック修理中に船体、更には幾つかの集合体及び機器の修理を行ないました。
船体の特殊コーティングも復元しました」
『海軍産業』が受け取った声明では、こう述べられた。
修理は、同社の4つの乾ドックの内の1つ「3隻の駆逐艦の記憶」ドックで実施された。

以前にも「ヴィボルグ」はクロンシュタットで修理されている。
1993年~2003年の間(1998年~2001年まで中断)に定期修理が行なわれた。
2011年~2014年には、潜水艦の技術的準備状態を復元する為の修理が実施された。
ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴィボルグ」はプロジェクト877に属する。
同艦は1982年2月にコムソモリスク・ナ・アムーレで起工され、同年末には太平洋艦隊へ加わった。
1985年にはバルト海へ移動した。
1993年から同艦はクロンシュタットに駐留し、レニングラード海軍基地の潜水艦部隊に所属している。
2008年から「ヴィボルグ」の名を有している。

プロジェクト877(NATOコード名「キロ」)通常動力潜水艦B-227は、1982年2月23日にコムソモリスク・ナ・アムーレの「レーニン共産党青年団記念造船工場」(現アムール造船工場)で起工され、同年9月16日に進水した後、ボリショイ・カーメニへ回航されて艤装工事と航海試験が行なわれ、同年12月27日にソ連海軍へ納入(受領-引渡証書へ署名)されました。
1983年2月23日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役しました。
(同艦の就役記念日は2月23日)
1983年4月には赤旗太平洋艦隊・第6潜水艦戦隊・第19潜水艦旅団へ編入されました。
1984年8月28日から9月1日まで原子力潜水艦K-115(プロジェクト627A)、重航空巡洋艦「ノヴォロシースク」(プロジェクト1143.3)、大型対潜艦「ワシーリー・チャパエフ」(プロジェクト1134A)、対潜哨戒機Il-38と共に日本海でアメリカ海軍原潜を追跡しました。
1985年8月から10月に掛けて、インド洋-紅海-スエズ運河-地中海経由でバルト海へ回航され、バルト艦隊へ転属しました。
当初は、外国(アルジェリアとルーマニア)へ輸出されるプロジェクト877EKM潜水艦の乗員の訓練支援任務に就き、その後、正式に赤旗2度授与バルト艦隊へ編入され、ラトビア共和国のリエパヤ基地に駐留していました。
1988年12月~1989年4月、1989年12月~1990年3月にはバルト海で戦闘当直に就きました。
1993年8月には修理の為にクロンシュタットへ回航されました。
ソ連邦解体後の資金不足により修理は遅延し、完了は2003年になりました。
2004年から2007年には中華人民共和国へ輸出されるプロジェクト636M潜水艦の試験の支援を行ないました。
2008年6月にはヴィボルグ市と後援協定を締結し、同市の名前が付けられました。
2011年から2014年まで「クロンシュタット海洋工場」でオーバーホールが行なわれ、2014年10月末に復帰しました。
2015年7月26日の「ロシア海軍の日」には、ロシア海軍最新鋭艦と共にバルチースクの観艦式へ参加しました。

そして今年(2016年)1月から3月まで「クロンシュタット海洋工場」で船体の補修工事が行なわれました。
「船体の特殊コーティング」というのは、騒音吸収用のゴムタイルの事です。
現在、バルト艦隊には2隻のプロジェクト877潜水艦が配備されており、レニングラード海軍基地(クロンシュタット)に駐留しています。
もう1隻のB-806「ドミトロフ」(1986年9月27日就役)は、輸出用のプロジェクト877EKMとして建造され、こちらも就役当初は外国へ輸出される同型艦の乗員訓練や海上試験の支援任務に就いていました。

「ドミトロフ」も2014年から「クロンシュタット海洋工場」でオーバーホールが行なわれており、2015年12月25日にドックから出ています。
現在、ロシア海軍に在籍するプロジェクト877潜水艦は計17隻です。
[北方艦隊]
B-402「ヴォログダ」(1984年就役)
B-808「ヤロスラヴリ」(1988年就役)
B-800「カルーガ」(1989年就役)
B-459「ウラジカフカース」(1990年就役)
B-471「マグ二トゴルスク」(1990年就役)
B-177「リぺツク」(1991年就役)
[太平洋艦隊]
B-260「チタ」(1981年就役)
B-445「スヴャチテリ・ニコライ・チュドトヴォーレッツ」(1988年就役)
B-394「ヌルラト」(1988年就役)
B-464「ウスチ・カムチャツスク」(1990年就役)
B-494「ウスチ・ボリシェレツク」(1990年就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年就役)
B-190「クラスノカメンスク」(1992年就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年就役)
[バルト艦隊]
B-227「ヴィボルグ」(1983年就役)
B-806「ドミトロフ」(1986年就役)
[黒海艦隊]
B-871「アルローサ」(1990年就役)
この他、2014年からは改良型のプロジェクト06363潜水艦が4隻就役しています。
(今年末までに更に2隻就役予定)
[黒海艦隊]
B-261「ノヴォロシースク」(2014年就役)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年就役)
B-262「スタールイ・オスコル」(2015年就役)
B-265「クラスノダール」(2015年就役)
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