ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く

『タス通信』より
2016年4月2日9時2分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」は(今年)秋に新たな戦闘機と共に地中海へ向かう】
モスクワ、4月2日/タス通信
ロシア海軍の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、今秋に地中海東部へ到着し、その航空群には戦闘機Su-33とMiG-29Kが含まれる。
タス通信は軍事外交筋より伝えられた。
戦闘機MiG-29K/KUBは2009年に「クズネツォフ」で試験が行われたが、それ以後、航空母艦には常時配置されていない。
「ロシア連邦軍参謀本部の計画によると、アドミラル・クズネツォフは9月-10月に地中海へ入り、ロシア連邦海軍常設艦船グループを率いる事になります。
巡洋艦の艦上には、Su-33、Su-25UTG、そしてMiG-29Kの混成航空群が搭載されます」
対談者は話した。
航海が始まる前の残り数ヶ月間で航空機乗員は「サキとエイスクの地上試験訓練複合体で航空母艦の甲板での発着艦の技量を向上させます」
対談者は付け加えた。
以前、ロシア海軍総司令部の情報提供者は、「クズネツォフ」の航海は今夏に計画されていると伝えた。
現在、航空母艦はムルマンスクの第35艦船修理工場で技術的準備状態の回復を行なっている。
また、情報提供者によると、航空母艦の倉庫(格納庫)は、新たな種類の航空兵器(註:艦上戦闘機MiG-29K)により近代化される。
地中海で「クズネツォフ」が遂行する任務は如何なるものであるのかを情報提供者は明らかにしなかった。
MiG-29Kは新たなロシアの甲板戦闘機であり、艦船連合部隊の対空防衛、航空優勢の獲得、水上及び地上目標の撃破の為に意図されている。
海軍へ単座及び複座ヴァージョンの24機の航空機を供給する契約は2012年2月に締結された。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。
「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]
2015年5月-8月には、ロスリャコヴォの大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]
2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]
現在はムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンス(技術的準備状態の回復)中です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]
「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2015年にはクリミア半島のサキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]
そして今回の記事に登場する「軍事外交筋」によると、「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋(9月-10月)に地中海東部への遠征が計画されているとの事です。
以前には、今年8月に地中海へ行くと言われておりましたが、少し延びました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2016年夏に地中海へ行く]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年末から近代化改装の開始が予定されており、地中海遠征は、その前に実施される事になります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2016年末から始まる]
「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方のエイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。

[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]
おそらくは、この第100独立艦上戦闘機航空連隊が、「アドミラル・クズネツォフ」の遠距離航海(地中海遠征)に参加して一通りの作戦行動を行なえるようになるのが、今年秋頃になるという事でしょう。

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