クリミア半島のフェオドシヤ造船所はロシア海軍の為の小型ロケット艦を建造する



『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年4月2日13時32分配信
【フェオドシヤ海洋造船所では小型ロケット艦が建造される】
フェオドシヤ、4月2日-ロシア通信社ノーボスチ
フェオドシヤ造船工場「海洋」は、今秋に予定されている第1段階の必要な近代化の後に戦闘艦の建造発注を受ける。
土曜日、ロシア政府副首相ドミトリー・ロゴージンは話した。
フェオドシヤ工場「海洋」は、2014年5月に共和国議院の決定により国有化された。
2015年10月、工場は連邦政府へ移管された。
クリミアとセヴァストーポリの再合同の後、同社は長期間に渡り発注が無く操業停止していた。
サンクトペテルブルクの企業「ペラ」による造船所への投資の可能性が討議されている。
ロゴージンは工場の近代化の第1段階が今秋までに実施される事を約束した。
「全てのガラクタ(註:ウクライナからの古い発注)は提示されており、僕達は、それらを全てバラバラにして船台を掃除します」
ロゴージンは話した。
副首相は、同社が今年中に船台の能力~艦の進水に関する~を増加させ、その後、造船所は、小型ロケット艦の建造を含め、より重要な発注を受ける事を指摘した
彼によると、未だ工場は「とある艇」を出渠させていない。
「海洋」工場は、軍用及び民間用の艦を建造している:水中翼船、エアクッション船、エアキャビテーション船、水上滑走艇、更には、アルミニウム-マグネシウム合金製船体の艇。
「海洋」は、ソヴィエト時代にエアクッション揚陸艦「ズーブル」、特殊対潜艦プロジェクト「ソコル」を建造した。
「海洋」工場は更に、民間用水中翼船「ツィクロン」、「コメータ」、「ヴォスホート」、「オリンピヤ」型の最大の製造者である。

【フェオドシヤ造船工場「海洋」公式サイト】
フェオドシヤ造船工場は1938年10月5日に設立され、当初は魚雷艇を大量建造し、その後、海軍向けの水中翼艦艇や民間の水中翼船の建造が専門となりました。
記事中で触れられているエアクッション揚陸艦プロジェクト12322「ズーブル」は1988年~1991年に3隻が建造され、黒海艦隊へ配備されましたが、ソ連邦解体後にウクライナ海軍へ移管されました。

水中翼小型対潜艦プロジェクト11451「ソコル」は2隻が建造され、2番艦は今も黒海艦隊に在籍しています。


フェオドシヤ造船工場は中国海軍向けにも「バイソン」級(ウクライナが建造した「ズーブル」級)を2隻建造しており、最後の艦は2014年3月末に引き渡されました。

この他、ウクライナ国境警備隊の為の哨戒艇も建造していました。
クリミア半島がロシア連邦に編入された後、当然ながらフェオドシヤ造船工場もロシアの造船所となりましたが、殆ど操業停止状態になりました。
クリミア半島には、フェオドシヤ造船工場の他にも、ケルチ市の造船工場「ザリフ」、セヴァストーポリ市の「セヴァストーポリ海洋工場」が在りますが、こちらは既に操業が再開されています。
造船工場「ザリフ」
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
[クリミア半島のケルチ造船所でロシア海軍の為の新たな給油船2隻が起工された]
セヴァストーポリ海洋工場
[セヴァストーポリ海洋工場はセヴェロドヴィンスク艦船修理工場ズヴェズドーチカの傘下に入る]
[クリミア半島のセヴァストーポリにロシア海軍黒海艦隊の潜水艦修理部局が創設された]
そこで、今度はフェオドシヤ造船工場も再建し、ロシア海軍の為の小型ロケット艦を建造させる事になりました。
この小型ロケット艦は、昨年末から建造が始まったプロジェクト22800「カラクルト」でしょう。

「カラクルト」の最初の2隻はサンクトペテルブルクの「ペラ」造船所で起工されており、同社では7隻建造される予定ですが、この他にも11隻が他の造船所で建造されます(つまり総計18隻)。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
[2016年にロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦2隻が起工される]
「ペラ」以外の造船所の1つとして選ばれたのが、クリミア編入以来開店休業状態だったフェオドシヤ造船工場という事でしょう。
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