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極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2020年以降にロシア海軍へ制式採用される

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『インタファクス』より
2016年4月13日13時10分配信
【ロシア海軍は2020年以降に極超音速ミサイルを受領する】
モスクワ、4月13日、インタファクス-ロシア

試験-設計作業が展開中の極超音速ミサイル「ツィルコン」は、将来的には超音速有翼ミサイル「オーニクス」の代替を意図しており、試験の第1段階が実施されている。
水曜日、『インタファクス』は、ロシア連邦軍事産業委員会に近い情報提供者より伝えられた。

「製品のプロトタイプの飛翔試験は6ヶ月前の2015年秋から始まっています。
専門技術者の見積もりによれば、それ(試験)は約5年に渡り続けられるでしょう」

対談者は話した。

彼は、「ツィルコン」の前任者である対艦ミサイル「オーニクス」の試験は「遥かに長かった」事を想い起した。

「ツィルコンの場合、飛翔試験は続いており、それ以外で御説明できるのは、それが様々な手段から発射され、マッハ5-6(マッハ1は音の速度に匹敵し、秒速300m或いは時速1224km)で飛翔するようになるという事です」
情報提供者は強調した。

以前に伝えられたように、「ツィルコン」の試験設計作業は、ミサイル「オーニクス」を開発、製造した「科学生産合同・機械製造」(レウトフ、モスクワ州)により実行されている。
基本的なな前提として、「ツィルコン」の飛翔距離は「オーニクス」に匹敵し、約500kmになる。
このミサイルは、(水上)艦原子力潜水艦、更には航空機沿岸移動ミサイル複合体へ装備できる。

ミサイル「オーニクス」、そしてミサイル「ツィルコン」は、非核抑止概念の実現において、非常に重要な役割を担うと見られる。

前ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、以前、ロシア海軍は2020年には、高精度長距離兵器を装備する「戦略非核抑止力グループ」を作成しなければならないと表明した。

このグループの基礎は、原子力潜水艦プロジェクト885M「ヤーセン」、近代化された原子力潜水艦プロジェクト949M、重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144から成る。

非核抑止力とは、脅威となる潜在敵国の重要な軍事施設及び経済施設へ、必要に応じて攻撃を加える能力が存在している事を意味する。


極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルであり、2020年頃の実用化を目指しています。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6になるようです。

一説によると、ロシア・インド共同開発極超音速ミサイル「ブラーモス-II」ロシア向けヴァージョンとの事です。
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「ツィルコン」の発射試験は既に開始されています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

今回の記事によると、「ツィルコン」の試験は2015年秋から始まったとの事であり、おそらくはアルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で発射試験を行なったようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の試験は約5年に渡り続くとの事ですから、試験が終わり制式採用されるのは2020年以降になります。

「ツィルコン」は、数年後に大規模な近代化改装が行なわれる重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に装備されます。
(そして、先に近代化改装される同型艦「アドミラル・ナヒーモフ」も)
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

この他、現在開発中のロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア海軍第5世代原潜ハスキー級は多用途原潜と戦略原潜を統合する?]

更には、航空機発射型地上発射型も構想されているようです。
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