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ロシア海軍はクリミアのニートカを2016年末までに復活させる

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年4月15日15時3分配信
【海軍航空隊パイロットの為のクリミアの射爆場は2016年末までに更新される】

クリミアのサキ市の艦上航空隊地上試験訓練複合体(ニートカ)は、2016年末までに完全に回復する。

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ロシア連邦軍参謀本部は、エイスク市(クラスノダール地方)複合体ニートカの施設の建設の継続を決定している。
同時に、艦上航空隊飛行士の訓練の混乱を避ける為、今年末までに黒海艦隊複合体ニートカの技術的準備状態の回復も決定した。

2016年4月、軍当局の情報提供者は、同様の複合体エイスクに建設されている事に関連し、サキの複合体の放棄を計画していると『Lenta.ru』へ伝えた。
「資金不足」という条件下では、エイスクの複合体の準備に専念するのが妥当と思われた。

軍当局の代理人は、その後、準備が整っていないエイスクの複合体は、戦闘機MiG-29KR/KUBRを装備する甲板航空隊の新たな航空連隊の戦闘訓練計画を狂わせる恐れがあると指摘した。
「今、彼等はクリミアへ飛ぶ事は出来ますが、設備の寿命は尽きており、エイスクの複合体の納入までは、連隊の完全な訓練は出来ないでしょう」
彼は発言した。

サキ複合体ニートカは、海軍甲板航空機の試験を実施する為、1977年~1984年に建設された。
航空機Su-25UTG、Su-27K(後のSu-33)、そしてMiG-29Kの試験が実施された。
1992年4月、複合体ウクライナへ移管された。
ロシア連邦へのクリミア復帰後、2014年晩夏にロシアの飛行士はサキでの戦闘訓練を再開した。


ソヴィエト連邦時代(1980年代初頭)、ウクライナには航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]


ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]

しかし、2013年にはロシア「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]

その一方、ロシアは、クラスノダール地方エイスク市に新たな「ニートカ」の建設を開始しました。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]

その後、2014年3月18日にロシアウラジーミル・プーチン大統領クリミア自治共和国ロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、クリミア半島サキに在る「ニートカ」は再びロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]
[クリミア半島のニートカは2015年2月末から本格的に稼働を再開する]

これにより、クリミア旧ニートカは主に現用のロシア海軍艦上戦闘機隊の訓練に使われ、エイスク新ニートカは主にロシア海軍航空隊の新型航空機の各種試験と訓練に使われる事になりました。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]

2014年9月初頭、ロシア海軍Su-33艦上戦闘機は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

2015年7月~9月にもクリミア「ニートカ」Su-33艦上戦闘機の訓練が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]


一方、エイスク新ニートカでは、2015年末に創設された艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊の錬成訓練が進められています。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

この他にもエイスクでは、艦載機を有する水上艦の艦長の研修などが行なわれています。
[ロシア海軍航空隊は艦載機を有する新世代水上艦の艦長の訓練を活性化させる]


そして2016年4月初頭、クリミア「ニートカ」の今後の使用は断念されるという話が出てきました。
[ロシア海軍航空隊はクリミアのニートカを今後使用しない]

これまでに情勢の変化の為、使用しなかったり使用されたりと、方針が二転三転してきたクリミア「ニートカ」ですが、今回の記事の通り、また一転して今年末までに修復して再び使用される事になったようです。
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