ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる
- カテゴリ:重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ

『タス通信』より
2016年5月4日11時48分配信
【ショイグ:更新される「クズネツォフ」航空グループの試験は7月1日以降に開始しなければならない】
モスクワ、5月4日/タス通信
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の更新された航空グループの試験は7月1日以降に開始しなければならない。
ロシア連邦国防省のトップ、セルゲイ・ショイグは表明した。
「2016年7月1日には、巡洋艦へ配置される航空機とヘリコプターの準備が整っていなければなりません」
ショイグは軍当局の電話会議で話した。
国防相は「戦闘任務を果たす為の準備」は重航空巡洋艦の「重要な課題」である事を強調した。
以前、「クズネツォフ」はムルマンスクの第35艦船修理工場で技術的準備状態の回復を行なっていると伝えられた。
ロシア海軍総司令部の情報提供者がタス通信へ話したように、同艦の倉庫(格納庫)は、新たな種類の航空兵器(註:艦上戦闘機MiG-29K)により近代化される。
4月初頭に軍事外交筋はタス通信へ、今秋に「クズネツォフ」が地中海東部へ向かうと伝えた。
その航空グループの構成には、未だ艦上には常時配置されていない新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBが含まれる。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。
「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]
2015年5月-8月には、ロスリャコヴォの大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]
2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]
現在はムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンス(技術的準備状態の回復)中です。

[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]
「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島のサキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋(9月-10月)に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年末から近代化改装の開始が予定されており、地中海遠征は、その前に実施される事になります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2016年末から始まる]
「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方のエイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。

[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]
そして今回、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな航空グループの試験が7月1日以降に始まると述べています。
つまり、艦上戦闘機MiG-29K/KUBの第100独立艦上戦闘機航空連隊が「アドミラル・クズネツォフ」での発着試験を開始するという事です。
ショイグ国防相は「ヘリコプター」にも言及していますが、近代化改装された艦上対潜ヘリコプターKa-27Mも搭載されるかもしれません。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]
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