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ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する


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『Lenta.Ru』より
2016年5月4日19時35分配信
【近代化された「空母ハンター」は極超音速ミサイルを得る】

近代化が実施されるプロジェクト949A「アンテイ」原子力水中ロケット巡洋艦の弾薬庫には、他のタイプのミサイルに加え、最新の極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」が含まれる。
『Lenta.Ru』特派員は、防衛産業の情報提供者より伝えられた。
新たなミサイルを有する最初の近代化された潜水艦は、2020年までにロシア海軍へ引き渡されなければならない。

「近代化は、水雷兵装、そしてミサイル兵装のリストの拡大が含まれる事を意味します」
対談者は指摘した。
「既に知られているミサイル複合体カリブルと、極超音速ミサイルを含めた新たなものの使用が計画されています。
発射装置は汎用となり、潜水艦は指定任務に応じて弾薬を変更する事が出来ます」


現在、ボリショイ・カーメニ市極東工場『ズヴェズダー』に居る2隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦K-132「イルクーツク」K-442「チェリャビンスク」の近代化が行なわれている。
「イルクーツク」の作業は2017年に完了すると伝えられている。
「チェリャビンスク」の作業の完了時期は未だ知られていない。
合計で4-6隻のプロジェクト949A原子力ロケット艦ミサイル複合体を換装する近代化を実施しなければならない。

改善された「アンテイ」は、現代の同類とは異なる大重量と寸法のミサイル複合体「グラニート」の24基の発射機に代わり、様々なタイプの対艦ミサイルの為の72基の発射機を装備する。

有翼ミサイル「ツィルコン」は、少なくとも2011年以降、『戦術ミサイル兵器』コーポレーションで開発されている。
それは、まず第一に、海軍の軍備である重対艦ミサイル複合体「グラニート」を代替すると見られており、更には、将来大洋ゾーン艦(ロケット巡洋艦)「リデル」型と近代化されるプロジェクト1144「オルラン」原子力巡洋艦の兵装として加わらなければならない。


極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は既に開始されています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は2015年秋から始まっており、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で発射試験が行なわれているようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]

「ツィルコン」は、2018~2020年から生産が始まります。
[極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2020年以降にロシア海軍へ制式採用される]
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2018年から生産を開始するかもしれない]

「ツィルコン」は、数年後に大規模な近代化改装が行なわれる重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

更には、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」も装備する事になります。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

この他、現在開発中のロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア海軍第5世代原潜ハスキー級は多用途原潜と戦略原潜を統合する?]


そして、ミサイル発射機を換装する近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII)にも「ツィルコン」が装備されます。
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]


現在、太平洋艦隊「イルクーツク」「チェリャビンスク」は、沿海地方ボリショイ・カーメニで近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]

近代化される949Aは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」の両方を運用できる汎用ミサイル発射機を装備しますが、将来的には、この汎用発射機から「ツィルコン」も発射できるようになるという事です。
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