クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年5月27日3時4分配信
【クリル諸島のマトゥア島への太平洋艦隊部隊の駐留の可能性が検討される】
アニワ(サハリン州)、5月27日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア軍は、クリル列島のマトゥア島への太平洋艦隊部隊の駐留の可能性について検討する。
東方軍管区司令官セルゲイ・スロヴィキン大将は表明した。
今、マトゥア島では、国防省及びロシア地理学協会の合同学術探検が行なわれている。
戦争時(第2次世界大戦)から、同島には3本の滑走路が残されている。
「同島への学術探検航海の主な目的は、(マトゥア島への)将来的な太平洋艦隊部隊の駐留の可能性の調査であります」
スロヴィキンは東方軍管区の定期軍事会議の席上で、こう話した。
将軍は、マトゥア島には既に野外キャンプが設置されている事を指摘した。
太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将指揮下の学術研究隊は、5月7日にウラジオストクから出発した。
現在、(マトゥア)島には約200名が滞在している。
現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍の「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。
クリル諸島に駐留するロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は、2016年中には新たな地対艦ミサイルを受け取ります。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する]
2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島にロシア海軍の「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]
2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」とサルベージ船KIL-168で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊はウラジオストクを出航し、先ずサハリン南部のコルサコフへ向かいました。
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」

サルベージ船KIL-168

コルサコフでロシア地理学協会のメンバーを乗せた後、調査部隊は5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島(2000年までロシア国境警備隊が駐留していた)へ到着しました。
5月15日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」から調査隊136名と14両の車両の上陸が完了しました。

以後、現在までマトゥア島へ太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれており、既に給水・電力供給設備も設置されています。
記事中では、太平洋戦争中に旧日本海軍がマトゥア島(松輪島)へ建設した飛行場(3本の滑走路)にしか触れられていませんが、将来的には補給物資供給所などの建設も考慮されています。

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