ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する

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『タス通信』より
2016年6月3日11時28分配信
【『アルマーズ・アンテイ』:高射複合体「トール」の海上ヴァージョンは2018~2019年に登場するだろう】
アスタナ、6月3日/タス通信

高射ミサイル複合体「トール」の海上ヴァージョンは2018~2019年には登場するだろう。
このプロジェクトへロシア海軍総司令部は関心を持っている。
コンツェルン『アルマーズ・アンテイ』広報サービスは、展示会『KADEX-2016』の最中に報道陣へ伝えた。

コンツェルンは、陳腐化する艦載複合体「オサー」及び「キンジャール」を代替する必要性に鑑み、海軍「トール」海上ヴァージョン作成の可能性に関心を有していると説明した。

「この問題にコンツェルンは取り組んでおり、複合体オサー及びキンジャール型の生産及び設置や、他の海軍の艦での企業協力の経験を考慮し、更には陸上モデル高射ミサイル複合体トールの生産品一式の使用の可能性は、短期間で(最初の高射ミサイル複合体モデルは2018~2019年には登場するであろう)、かつ最小限のコストでのトールの海上ヴァージョンの作成へと結論付けられるでしょう」
『アルマーズ・アンテイ』
は強調した。

同時に、複合体の艦載ヴァージョンの一連の数値は、既存の「トール」系列に優越すると広報サービスは述べている。

昨年、イジェフスク電子機械工場『クーポル』(『アルマーズ・アンテイ』へ加入しており、複合体「トール」生産の主導企業)総取締役ファニル・ジャトジノフは、同社が「トール」の海上ヴァージョンの開発を計画していると発言した。
彼によると、それは、艦の近代化を実施する際の複合体の使用についての話である。
同社のトップは、他の詳細は明らかにしなかった。


ロシア海軍の個艦防空用高射ミサイル複合体「キンジャール」は、陸上用高射ミサイル複合体「トール-M1」(SA-15ガントレット)の艦載型です。


ミサイル管制レーダー「ポドカート」(右端)
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8連装ミサイル垂直発射機
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「キンジャール」の開発は1975年からスタートし、プロジェクト1124K小型対潜艦MPK-104に試作品が搭載され、1982年から黒海で試験が行われました。
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現在では、プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト1155/11551大型対潜艦が装備しています。


一方、陸上タイプの方は、2000年代に改良型の「トール-M2」が開発されました。
「トール-M2KM」は、その最新ヴァージョンです。



そして、海軍の「キンジャール」の代替として、「トール-M2KM」の艦載ヴァージョンである「M-トール」も開発される事になりました。
[ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される]

「M-トール」は、ロシア海軍の新造艦・新世代艦への装備では無く、既に就役している艦の近代化改装の際に換装する事が想定されています。


この他、「キンジャール」の前の世代の個艦防空用ミサイルであり、現在もロシア海軍の多くの水上艦に装備されている高射ミサイル複合体「オサー-M」(1973年軍備採用、現在は改良型の「オサー-MA」、「オサー-MA2」へ移行)の代替としても意図されているとの事です。

現在、「オサー-M」を搭載しているのは、プロジェクト1164(スラヴァ級)ロケット巡洋艦プロジェクト12661K警備艦(1番艦のみ)、プロジェクト1135/1135M(クリヴァクI/II)警備艦、プロジェクト1239(ダーガチ)エアクッションロケット艦、プロジェクト12341(ナヌチュカ)小型ロケット艦、プロジェクト1124/1124M(グリシャ)小型対潜艦です。

『ロシア黒海艦隊サイト』より
【「オサー-M」】

「オサー-MA」昇降式連装発射機(プロジェクト1164ロケット巡洋艦「モスクワ」)
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つまり、ロシア海軍の現用の「キンジャール」及び「オサー-MA」搭載艦が、近代化改装の際に「M-トール」へ換装するという事になります。


ただ、全ての「キンジャール」及び「オサーMA」搭載艦が「M-トール」へ換装する事は考えられず、換装される艦は限られてくるでしょう。

「M-トール」の配備は早くても2018年か2019年であり、それ以降でなければ、このミサイルを装備する事は出来ません。

例えば、「キンジャール」を装備するプロジェクト1155大型対潜艦は、2021年までに6隻の近代化改装が計画されていますが、「M-トール」を装備できるのは最後の2隻くらいでしょう。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]
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