ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した



『タス通信』より
2016年6月10日12時25分配信
【サンクトペテルブルクで半世紀ぶりの軍用砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」が進水した】
サンクトペテルブルク、6月10日/タス通信
国内海軍の為のこのクラスの船としては45年ぶりとなるプロジェクト21180ディーゼルエレクトリック砕氷船のトップ「イリヤー・ムーロメツ」は、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で進水した。
タス通信特派員は現地より伝えた。
式典には、ロシア海軍総参謀長アンドレイ・ヴォロジンスキー中将、(ロシア)国防省国家防衛発注供給部のトップ、アンドレイ・ヴェルニゴラ、『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフが出席した。
「本日、50年間の中断の後、この傾斜船台から、より多くの機能を有する私達の新たな砕氷補給艦が進水します。
60年前、この船台では、原子力砕氷船レーニンが起工された事は象徴的であります」
ブザコフは話した。
彼は、「イリヤー・ムーロメツ」が期日通りに納入される事を確約した。
それは2017年になるだろう。
そして造船所総取締役は、2016年秋には「この船台で、北極圏で使用する為の次の艦が起工される」事を指摘した。
以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、ロシア海軍の補助艦隊更新プログラムの枠組みへ、「イリヤー・ムーロメツ」型砕氷船の建造を組み込む事も有り得ると述べた。
然るべき決定は、トップ船の運用結果により下される。
「イリヤー・ムーロメツ」は2015年4月23日に起工された。
同船の排水量は6000トン、自立航行期間は60日、航続距離9000海里。
砕氷船の乗員は35名で構成される。
この船は砕氷船として使用する為だけに意図されているわけでは無く、「イリヤー・ムーロメツ」は更に海洋曳船及び哨戒艦としての機能も果たす。
[原子力砕氷船]
ロシア海軍は原子力砕氷船を発注する計画を持っていない。
本日、海軍総司令部技術管理部長イーゴリ・ズヴァリチ少将は報道陣へ伝えた。
「それは、ロスアトムの特権です」
彼は強調した。
現在のロシアは、原子力砕氷船「アルクチカ」型を筆頭に各種砕氷船を保有していますが、これらの砕氷船はロシア海軍の所属ではありません。
ソ連邦海軍時代には、プロジェクト97砕氷船が8隻建造され、1960年から1970年に掛けて就役しました。
プロジェクト97も『アドミラルティ造船所』で建造されました。
先代の砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」(プロジェクト97K)は1965年12月にソ連海軍へ納入され、太平洋艦隊へ配備されました。


ソ連邦解体後の1993年6月にロシア海軍から除籍されました。
それから20年以上経った2015年4月23日、新たなプロジェクト21180砕氷船「イリヤ―・ムーロメツ」が起工されました。
[ロシア海軍の為の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは2015年4月23日に起工される]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは起工された]
そして2016年6月10日に進水しました。
「イリヤ―・ムーロメツ」は2017年にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊へ配備されます。
- 関連記事
スポンサーサイト