ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する

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『タス通信』より
2016年6月16日13時8分配信
【統合造船業営団:「アドミラル・クズネツォフ」は近代化の際に再武装する】
サンクトペテルブルク、6月16日/タス通信

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の兵装は、今後の近代化の際に交換される。
木曜日、タス通信『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「必然的に、そうなりますね」
彼は、同艦の兵装が変更されるのか否かというタス通信の質問に答え、こう話した。

対談者は、どのシステムが交換されるのかという件については明らかにしなかった。

[「クズネツォフ」の近代化]
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」
の近代化には約2年間掛かるが、期間や作業量は調整される事も有り得る。
水曜日、技術的準備状態の回復後に艦船修理工場を去った艦の長期修理の為の契約については、現在、討議されている事を対談者は確認した。

「この重要な作業は2年間に渡るでしょう。
契約に記載された期間は考慮されます。
全ての可能性は平等に存在しており、修理期間の最適化の必要がある場合、作業量は最適化されます」
ラフマノフ
は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF-2016)において、こう話した。

以前、「クズネツォフ」は今後に近代化されると防衛産業企業体の情報提供者はタス通信へ伝えた。
彼によると、作業は2017年第1クオーター(1-3月)に開始され、数十億ルーブルの費用が掛かる。

その後、『統合造船業営団』軍事造船担当副総裁イーゴリ・ポノマリョフは、契約は未だ署名されておらず、営団「クズネツォフ」長期修理の為の技術的課題は受け取っていないとタス通信へ伝えた。

「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシア海軍最大の艦にして、ロシア海軍唯一の航空巡洋艦である。
満載排水量は55000トンになり、数十機の航空機ヘリコプターを搭載できる。
また、「クズネツォフ」対艦ミサイル「グラニート」、高射複合体「クリノーク」及び「カシターン」、更には高射砲AK-630、対潜兵装を装備する。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2015年5月-8月には、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]

2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]

その後、ムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンスと修理(技術的準備状態の回復)が行なわれました。
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[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末からクリミア半島サキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機部隊はクリミア半島のニートカで発着艦訓練を行なう]

「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方エイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

「アドミラル・クズネツォフ」は6月下旬には完了し、その後、艦の点検のためにバレンツ海へ出航し、それが終わった後に新たな艦載機の発着試験も行われます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月下旬にバレンツ海へ出航する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの新たな航空群の試験は2016年7月に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]


その「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に報じられた通り、6月15日に『第35艦船修理工場』の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年6月15日にムルマンスク艦船修理工場を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは海上での訓練後にムルマンスク艦船修理工場へ戻る]
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今年10月以降の地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になるようです。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]


以前の報道では、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が兵装にも及ぶのかどうかは明確にされていませんでしたが、今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、近代化される「アドミラル・クズネツォフ」は必然的に兵装も変更されることになると述べました。
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ただ、現在の「アドミラル・クズネツォフ」の固定兵装(対艦ミサイル複合体「グラニート」、高射ミサイル複合体「キンジャール」(クリノーク)、高射ミサイル・砲複合体「コールチク」(カシターン)、AK-630M 30mmガトリング砲、ロケット爆雷「ウダフ-1」)が全て新型の兵装に変更されるとは限りません。
例えば、長距離対艦ミサイル「グラニート」に代わり、新型の有翼ミサイル(オーニクスカリブルツィルコン)が搭載される可能性はゼロでしょう。
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最も可能性が高いのは、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の話が最初に出た時から名前が挙がっている「パーンツィリ-M」と、現用の「キンジャール」(クリノーク)の代替の為に開発される「M-トール」でしょう。
[ロシア海軍の為に3基の新型高射複合体パーンツィリ-Mが発注される]
[ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する]
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