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近代化改装されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2017年初頭に地中海へ行く

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年6月20日13時36分配信
【巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は2017年に地中海へ向かう】

セヴェロドヴィンスクでの修理を完了するロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2017年初頭に地中海の戦闘勤務へと向かう。
『Lenta.ru』はロシア連邦国防省の情報提供者より伝えられた。


軍当局の代理人によると、「マルシャル・ウスチーノフ」は、2017年初頭から修理へ着手されなければならない黒海艦隊の同タイプの巡洋艦「モスクワ」の一時的な代替となる事が考慮されている。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2011年からセヴェロドヴィンスク『ズヴェズドーチカ』工場で定期修理と近代化が実施されている。
以前には、修理完了後、巡洋艦太平洋艦隊へ移管されると報じられた。
2015年末、同艦は係留試験を開始した。

「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化の過程においては、特に新たな電波位置特定ステーション(レーダー)が設置された。
巡洋艦3次元遠距離探知レーダー「ポドベレゾヴィク」と、低空飛行目標探知の為に最適化された格子型フェーズドアレイアンテナの「フレガート-M2M」を受け取った。
新たなレーダーは、同艦の建造中に設置された電波位置特定複合体MR-800「フラク」に含まれる電波位置特定ステーションMR-600「ヴォスホート」MR-710「フレガート-M」を代替する為に設置された。

「マルシャル・ウスチーノフ」(プロジェクト1164「アトラント」)は、ニコラエフ61コムーナ記念工場で1978年10月に起工された。
1986年9月、同艦は海軍へ加わった。
1987年3月、巡洋艦セヴァストーポリからセヴェロモルスクへ移動し、赤旗北方艦隊の戦闘編制へ入った。

就役中に巡洋艦は何度も北方艦隊最高の水上艦として認められた。
「マルシャル・ウスチーノフ」大西洋横断航海を行ない、グレートブリテン、アメリカ合衆国、カナダ、シリア、アルジェリア、その他の国の港へ寄港した。
高位の軍人や諸国の外交官、王位に在る者が艦上へ迎えられた。

就役中に「マルシャル・ウスチーノフ」は、ミサイル、砲、対潜複合体を使用した370回以上の戦闘演習を遂行した。
巡洋艦は、ほぼ15万海里を航行し、1089時間を公海上で過ごした。

プロジェクト「アトラント」巡洋艦の排水量は11380トン、全長186メートル、幅20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員は510名。
巡洋艦の主要打撃兵装はミサイル複合体P-500「バザーリト」の16基の発射機である。
これに加え、砲、対空防衛ミサイル装置、魚雷発射装置と深海爆撃を行なう為のロケット装置を装備する。


北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

既に「マルシャル・ウスチーノフ」には、MR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されています。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でした。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]

しかし、「新たなミサイル複合体」が搭載される事になった為も有り、2016年に延ばされました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」は、2016年第3クオーター(7月~9月)に航行試験を開始し、今年12月末までにロシア海軍へ復帰します。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]


今回の記事によると、近代化改装を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」は、復帰後の2017年初頭に地中海へ向かうとの事です。

同型艦で黒海艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は2017年初頭から近代化改装を開始するので、「モスクワ」が復帰するまで「マルシャル・ウスチーノフ」が代わりを務める事になるようです。

おそらくは、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日設立)の旗艦を務めるという事でしょう。
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「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]

太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2020年までに近代化改装が実施されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう]
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