ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月21日17時45分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の航行試験が始まる】
カリーニングラード、6月21日-ロシア通信社ノーボスチ
カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された大型揚陸艦「イワン・グレン」は、工場航行試験へ着手した。
同社の代理人セルゲイ・ミハイロフは報道陣へ伝えた。
「先週に大型揚陸艦は、バルト海のバルト艦隊射爆場で実施される艦の工場航行試験を始める為、試験実施基地であるバルチースク市へ移動しました。
計画外の事で工場水域へ艦が戻るような如何なる理由も存在しません」
ミハイロフは話した。
彼は、艦上には北方艦隊の船員で構成される乗組員と、『ヤンターリ』工場の試験実施チーム及び下請け企業の代表が乗っている事を指摘した。
現在、彼等は、近日中の実施が予定されている同艦の最初の出航の準備に従事している。
工場航行試験は9月まで続けられ、その後、艦の国家受領試験が始まり、その結果、ロシア海軍へ引き渡される。
大型揚陸艦「イワン・グレン」はプロジェクト11711のトップ艦であり、公開株式会社『ネフスキー計画設計局』により開発された。
同艦は2004年12月に起工され、2012年5月に進水し、艦の係留試験は2015年10月に始まった。
ロシア連邦国防省の発注により、沿バルト造船工場『ヤンターリ』では、もう1隻の同プロジェクト艦-大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」が建造されており、2018年には海軍へ引き渡されなければならない。
沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、ケーニヒスベルク造船会社『F.シハウ』をベースとして1945年7月8日に設立された。
小型-中型の軍用及び民間用の船舶の建造と艦船修理を専門としている。
支配者持ち分株式は、国営の公開株式会社『統合造船業営団』に属している。

[新型揚陸艦イワン・グレン]
プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]
進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]
「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]
「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]
6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]
今回、建造元の沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、「イワン・グレン」の工場航行試験が始まったと発表しましたが、これは、航行試験の為の出航準備が始まったという意味です。
実際の出航は、大体6月25日前後になるでしょう。
工場航行試験は今年9月まで続けられ、その後、国家受領試験が実施され、これらの試験が全て終わった後、2016年末までにロシア海軍へ引き渡されます。
「イワン・グレン」の乗組員は北方艦隊将兵で構成されている事から、就役後は北方艦隊へ配備されます。

2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]
その後は、より大型の汎用揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
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