ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『インタファクス』より
2016年6月22日12時26分配信
【ロシア海軍の新たな航空母艦には原子炉RITM-200が装備される】
モスクワ、6月22日、インタファクス・ロシア
ロシアの将来原子力航空母艦プロジェクト23000「シトルム」は、砕氷船「アルクチカ」で運用適性の点検が行なわれる原子炉RITM-200を受け取る。
水曜日、 『インタファクス』は消息筋より伝えられた。
「ロシア将来航空母艦は、大方は原子力推進となるでしょう。
それは既に開発されており、進水した砕氷船アルクチカで同型が間もなく動作します」
対談者は説明した。
彼によると、「航空母艦の設計に必要な時間を考慮し、ロシアがこのような艦を建造するには、8年から9年は掛かるでしょう」
6月16日、サンクトペテルブルクの『バルト工場-造船』社(『統合造船業営団』へ加入)では、世界最大かつ最も強力な(60メガワット)プロジェクト22220原子力砕氷船「アルクチカ」(このタイプの3隻の船のトップ)の進水式典が開催された。

契約における発注者への納入時期は2017年12月である。
砕氷船「アルクチカ」には、蒸気発生源として出力175メガワットの原子炉RITM-200を有する2基の原子力推進機関が装備されている。
[新たな航空母艦]
プロジェクト23000E(コード名「シトルム」)は、未だ模型しか存在していない。
艦のコンセプトは、『クルイロフ科学センター』と『ネヴァ川計画設計局』が合同で開発した。
予備データによると、艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達する。
将来航空母艦の予備設計では、現用のトランポリン台と、航空機を射出するカタパルトが提供されている。
2ヶ所のトランポリン台が有り、その長さは250メートル以上になる。
更に航空母艦は、水平離陸及び垂直離陸の双方のタイプを上昇させる為に意図されており、それは、艦上において、それらが占める場所を節約する。
以前、クルイロフセンターの代理人は、航空母艦設計の技術的段階は、2017~2018年に到来するだろうと述べた。
[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーションが検討されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t未満)
建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
将来正規空母の建造開始時期は、今のところは未定です。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]
将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]
将来正規空母のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]
2016年1月下旬、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、将来正規空母の1番艦は2030年末に就役する見込みであると述べました。
更には、将来正規空母の機関が「特別な動力装置」、つまり原子力になるとも言いました。
[ロシア海軍の将来原子力空母は2030年に就役する]
将来正規空母建造の中核となるのはセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]
[ロシア造船業界は2019年にはロシア海軍の為の将来正規空母の建造が可能となる]
「セヴマシュ」以外の造船所(サンクトペテルブルク市の)の建造への参加も考慮されています。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]
[サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]
将来正規空母は、「2018-2025年の国家軍備プログラム」の枠組みにおいて建造が始まります。
[ロシア海軍将来正規空母の建造契約は2025年末までに締結される]
記事中で触れられていますが、2016年6月16日、ロスアトムの為に建造される新型原子力砕氷船「アルクチカ」がサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水しました。
原子力砕氷船「アルクチカ」は新開発の原子炉RITM-200を搭載していますが、将来原子力空母も、同型の原子炉を搭載する事になるようです。


- 関連記事
-
- ロシア造船業界は近い将来のロシア海軍の為の原子力空母建造開始を計画していない
- ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される
- ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない
- ロシア海軍将来正規空母の建造契約は2025年末までに締結される
- サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる
スポンサーサイト