ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年6月29日11時29分配信
【軍事史学術探検隊はマトゥア島の調査を完了する】
モスクワ、6月29日-ロシア通信社ノーボスチ
軍事史学術探検隊は、クリル諸島マトゥア島での調査業務を完了する。
東方軍管区広報サービス部長アレクサンドル・ゴルデーエフ大佐は発表した。
「ロシア連邦国防省とロシア地理学協会の軍事史学術探検隊はマトゥア島での調査業務を完了します。
現在、調査対象物及び人為構造物、物資・機器設備を学術探検隊の艦船へ積載する準備が行なわれています」
彼は話した。
東方軍管区広報サービス部長は、学術探検隊の首脳と学術評議会は、調査及び探索作業の結果の分析を行なったと付け加えた。
太平洋艦隊副司令官アンドレイ・リャブヒン中将指揮下のロシア連邦国防省、ロシア地理学協会、東方軍管区と太平洋艦隊の6隻の艦船から成る学術探検隊は、5月7日にウラジオストクを出航し、5月14日にマトゥア島へ到着した。
島には計350名以上と19両の自動車及び特殊機材、3機のヘリコプターが到着した。
第2次世界大戦中、島には日本の編制軍、特に、日本の守備大隊の防衛ポイントの一部として動作する9ヶ所の機関銃台及び砲台が配置されていた。

現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍の「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。
クリル諸島に駐留するロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は、2016年中には新たな地対艦ミサイルを受け取ります。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する]
2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島にロシア海軍の「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]
2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」とサルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊はウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。
以後、現在までマトゥア島へ太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]
マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。

[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]
5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]
これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]
6月下旬には、ドヴォイナヤ湾で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]
6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、派遣隊は撤収準備を行なっています。
今後はマトゥア島への本格的な海軍基地の建設が始まります。
- 関連記事
スポンサーサイト