ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する

『タス通信』より
2016年7月2日9時1分配信
【情報筋:「クズネツォフ」航空隊は2016年10月から2017年1月までシリアに関わる】
モスクワ、7月2日/タス通信
巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦上航空隊は、2016年10月から2017年1月まで地中海東部からシリアの過激派への攻撃に参加する。
タス通信は土曜日に軍事外交筋より伝えられた。
「シリア・アラブ共和国のテロリストグループへ打撃を与えるプランへ参加する混成航空団の艦上飛行士は参謀本部により準備されます。
それは、実際に地上目標攻撃の為に航空母艦の甲板から戦闘飛行を実施する目標を与えられる乗員を意味します」
対談者は話した。
従って、彼が説明したように、今秋-冬の攻撃を行なうフマイミーン基地の航空グループと艦上航空隊の飛行士は「互いに緊密に連携します」
同時に「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア沿岸に滞在し、地中海のロシア海軍常設グループを率いる。
「艦上戦闘機は戦闘任務を遂行し、艦の甲板へ戻る為の充分な燃料を持っています」
情報提供者は付け加えた。
彼によると、航海中の「クズネツォフ」甲板上には「およそ15機の戦闘機Su-33及びMiG-29K/KUB、10機以上のヘリコプターKa-52K、Ka-27、Ka-31が有ります」
「航空母艦は、大体(2017年)1月末~2月初めまで地中海に滞在し、その後、祖国へ戻り、2月~3月には修理と近代化が始まります。
おそらくはセヴェロドヴィンスクのセヴマシュで」
対談者は付け加えた。
これらの情報をタス通信は公式に確認していない。
ムルマンスクでの技術的準備状態の回復を経た「アドミラルクズネツォフ」は7月1日から訓練飛行を実施した。
以前、同艦は更新された航空群の試験を行なうと伝えられた。
タス通信への情報提供者によると、「クズネツォフ」は今秋に新たな航空機MiG-29K/KUBと共に地中海東部へ向かい、来年の第1クオーター(1~3月)に同艦は近代化へと向かわなければならない。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
ニコラエフ(ウクライナ)の黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。
「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]
2015年5月-8月には、ロスリャコヴォの大型浮きドックPD-50へ入渠し、普段は海水に浸かっている艦底部分(吃水線から下の部分)の修復作業が行なわれました。

[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックを出る]
2015年10月-11月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは抜錨した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で訓練を続ける]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフは海上目標へ艦対空ミサイルを発射した]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で防空演習を始めた]
その後、ムルマンスク市北方の第35艦船修理工場でメンテナンスと修理(技術的準備状態の回復)が行なわれました。

[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]
「アドミラル・クズネツォフ」の搭載機の近代化は進められており、以前からの艦上戦闘機Su-33(寿命延長改修済み)に加え、新たに発注された艦上戦闘機MiG-29K/KUBは2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
艦上戦闘機MiG-29K/KUBを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊は2015年末に創設され、現在はクラスノダール地方のエイスクに在る艦上戦闘機発着訓練施設(新ニートカ)で錬成訓練を行なっています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]
ただ、一部のMiG-29K/MiG-29KUBは、クリミア半島のサキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ進出して訓練を行なっているようです。
以前からの搭載機部隊である第279独立艦上戦闘機航空連隊(艦上戦闘機Su-33)は、2016年4月末から6月下旬までクリミア半島のサキ飛行場に在る艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]
「アドミラル・クズネツォフ」は6月15日に第35艦船修理工場の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは海上での訓練後にムルマンスク艦船修理工場へ戻る]

6月21日、「アドミラル・クズネツォフ」はバレンツ海へ出航し、対空防衛演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはバレンツ海へ出航し、対空防衛演習を行なった]
7月1日、「アドミラル・クズネツォフ」はバレンツ海で搭載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月以降に地中海東部へ行く]
そして今回、今年秋(10月頃)に地中海へ向かう「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦への参加が予定されている事が明らかにされました。
ただし、非公式筋からの情報ですが。
「アドミラル・クズネツォフ」には、これまでの第279艦上戦闘機航空連隊の艦上戦闘機Su-33に加え、第100艦上戦闘機航空連隊の艦上戦闘機MiG-29K、更には試作中の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kなどが搭載されることになるようです。
ロシア海軍によるシリアのISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点への攻撃は、2015年10月7日、カスピ小艦隊のロケット艦4隻により初めて実施されました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
カスピ小艦隊は、2015年11月21日にもISIL拠点への攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2015年12月9日には、黒海艦隊の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部(シリア沖)からISIL拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
そして今度は、ロシア海軍の「空母」による初の空爆作戦が実施されることになります。
今年10月以降の地中海遠征から戻った後、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスクの第35艦船修理工場で実施される事になります。
(今回の記事では、セヴェロドヴィンスクのセヴマシュ造船所と書かれていますが)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
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